園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2023年12月05日

少し前に『数に触れる』という内容を載せましたが、数に触れる経験と同様に、言葉あそびや文字に触れる経験は日常生活の中でたくさんあります。

例えば、『しりとり』。

これも小さなうちからでも友だちや家族、様々な人と楽しむことができる言葉あそびのひとつでしょう。年少さんなどはまだ知っている語彙が少ないため、なかなか続かなかったり同じ言葉を使ってしまったりということはあるかもしれません。しかし楽しみながら言葉に親しむことが目標であれば、同じ言葉を使っても良しというルールの時があっても良いと思います。

ここ数日、担任が発行するクラスだよりに目を通すと、まさに言葉あそびを楽しむ内容を載せているクラスがいくつかありました。

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年中のクラスでは、しりとりの答える順番が一人一人にまわっていき、どうしても思いつかない時は「おたすけマ~ン!」と言うと、わかる子が教えてくれるというスペシャルなシステムを導入しながらみんなで楽しく言葉あそびを行っている様子が書かれていました。しかも、まだクラスでしりとりあそびを始めたばかりなので、一度使われた言葉を使っても良しというルールにすると、「まくら」→「らくだ」→「だんご」→「ごま」→「まくら」→「らくだ」→「だんご」→「ごま」・・・と「まくら」から「ごま」までのエンドレスしりとりになり、子ども達が大爆笑になる楽しいしりとりの時間になったと書かれておりました。

また、『あ』のつく言葉や『か』のつく言葉など、最初の一文字を限定して集める『言葉集め』も楽しんでいる様子。「さつゆ」なんていう難しい言葉も出てきているようで、子ども達の語彙が増えたり初めて聞く言葉の意味を知ったりする良いチャンスにもなっています。そして『あ』のつく言葉がいくつ見つけられるかなど頭をフル回転させているようです。

 

そして年長クラスになると、同じ言葉集めでも文字カードを使いながらの少しレベルアップした『言葉集め』も楽しんでいるようです。

一文字だけが書かれた『あ』『い』『う』のひらがなカードを床いっぱいにちりばめ、グループのみんなで言葉を考え文字カードを並べて言葉を完成させるといったものです。あるグループでは「わに」という言葉を完成させたようですが、文字を並べ直してみると「にわ」になることに気づいた様子で「先生!ひっくり返したら!「にわ!」」と大発見したかのように喜んでいたようでした。同じ字を使いながら言葉の並び替えをすると、全然違う言葉になることをヒントに、「とけい」と「けいと」というふたつの言葉を見つけたグループもあった様子。最初は二文字からスタートし、次は三文字、四文字とレベルアップしていきながら、言葉がひらめいた時の喜びやワクワク感を味わいながら文字や言葉に触れられたらいいですね。

まだひらがなが読めなくたってもちろんOK!こうして普段の生活やあそびの中から文字や言葉に触れていくうちに自然と覚えたり、「この字は何て読むのかな」ともっと知りたくなったり。それが今後の興味や意欲につながっていくのです。

『小学生になるから文字を覚えるとか書けるようにする』ではなく、数も含め、こんなふうに文字や言葉にも親しみを持ちながら過ごしていくと、自分の名前から友だちの名前の文字を少しずつ読めるようになったり書けるようになったりしていくものです。そんな環境が作られていくと、絵本にも興味を持ち、これまで読んでもらっていた絵本を、今度は自分で読んでみたくなっていくと思います。

子どもの興味や関心の芽は、こうして生まれ、広がり、大きくなっていくことが自然であり、そんな力を幼児期につけていけたらいいなーと、先生や子ども達の様子を微笑ましく見守りながら日々感じています。

 

 

園長    伊勢 千春

 

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