園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2024年04月19日

4月も後半にさしかかってきました。

進級入園した子ども達は、少しずつ新しい環境に順応し始めています。

例年より年少さんの泣いてくる子は少なく感じますが、それでもまだ新しい環境に戸惑っている子やバスから降りてくると「ママがいなくて、ぼく迷子になっちゃった…」と涙する子も。本人はきっとママから離れてバスに乗せられて、気づいたら幼稚園にたどり着いていた…という感覚だったのでしょうか。こんな姿もほっこり微笑ましい風景です。先生達もこのような光景は毎年の姿なので、寛容に温かいまなざしで受け止めており「そっかそっか、びっくりしちゃったよね。それで悲しくなっちゃったんだね」などと声をかけ、子ども達の胸の中にある小さな不安や心配事に共感し寄り添っています。

朝バスに乗る時には涙していても、一日を通してずっと泣いている子はおらず、皆それぞれにお気に入りの場所やお気に入りのあそびを見つけ始めています。そうできるよう、先生達も活動計画を立てたり、環境を考えたりしています。そのひとつとして、年少さんは毎日朝の集まりの前には園庭でお兄さんお姉さん組と一緒に体操を楽しんでいます。やはり外に出たり身体を動かしたりしていると気分も変わり自然に涙も止まるようです。始めから体操に参加していなくたっていいんです。お友だちや先生が楽しそうに踊っているのを見て涙が止まる子もいますし、見ているだけだったのが、そのうち体操の輪の中に入ることができ、いつのまにか皆と一緒に楽しむことができるようになっていく子もいます。ですから、今の時期は無理強いせずその子のペースに合わせながら新しい環境に順応していけるよう努めています。

年中年長さんも新しいクラスになり、環境に変化はあったものの、気候の良いこの時期、同じ学年の友だちと春の風の子公園を満喫したり楽しい活動を取り入れたりしていく中で、少しずつ新しいクラスの友だちにも目が向き、新たな関わりも生まれてきています。

 

こうしてひとりひとり皆新しい環境の中で頑張っています。

今週も平年に比べ、気温が高い日がありましたし、どうやら来週もそのような状況が続くようです。暑くなってくると子ども達もそれだけで疲れが出てきますので、帰宅後は早めの就寝に心がけ、疲れをリセットして、また次の日元気に来られるといいですね。

 

さて、風の子の桜は、とうとう葉桜になりました。

帰りのバス待ち中、風に乗って桜吹雪がめるへんの園庭に舞い散り、子ども達は「桜のシャワーみた~い」「桜の雪が降っているみたい!」と歓声をあげていました。

これからは新緑の季節。

風の子公園の新緑も最高ですよ。

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園長   伊勢 千春

 

 

2024年04月10日

本日始業式を迎えました。

園に隣接する風の子公園の桜が満開です🌸🌸🌸

ここ数年仙台の桜の開花が早く、始業式や入園式にはもう桜の散り始め…そんな状況が続いておりましたが、今年は新年度に合わせたかのようなみごとな桜。

この風の子公園は本当に自然豊かな公園で、子ども達の五感を豊かにしたり体幹が鍛えられたりと、いいことづくめの自然公園です。

登園してきた子ども達からも「桜すごいね~」「きれいだね~」とたくさんの声が上がっていました。

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今日は、始業式のあとに新クラスの発表もあり、真新しいバッジを先生達につけてもらった子ども達が元気に新クラスへと入っていきました。

「園長先生!ぼく○○組だったよ!」「私は○○ちゃんと同じだった♡」「ぼくの先生はね、○○先生と~あとは……知らない先生!名前はまだよくわからないや♪」…(笑)等、子ども達との会話からも、ひとつ大きい学年になったことや新しいクラスになったことへのワクワクの様子が伝わってきました。

私自身も先生達のつけている新しいクラスのバッジに、まだまだ目が慣れませんが(笑)、少しずつ馴染んでくることと思います。

 

さあ、明日は入園式。

新しい小さなお友だちがたくさんやってきます。私達の笑顔と満開の桜でお出迎え致します。

お会いできるのを楽しみに、お待ちしておりますね。

 

さて、今週末もまだまだ桜が楽しめそうですよ。

是非ご家族みなさんでお出かけしてみませんか?

 

 

園長   伊勢 千春

2024年03月14日

3月14日

本日、93名のかわいい年長さんがめるへんを巣立っていきました。

今年の年長さんが入園した頃は、ちょうどコロナ禍真っただ中で、社会全体が不安に包まれている時でした。そんな中での集団生活でしたから、きっと保護者の皆さんも園生活に対して心配や不安が大きかったのではないかと想像します。

私達も、このような状況下であっても、健康や安全に配慮しながら、いかに子ども達を楽しませられるか、いかに子ども達が人との関わりを持ち、幼児期に経験すべき遊びや体験ができるか…それだけを考えて教育に向き合ってまいりました。

年長児にとっては園生活最後となる一年。

昨年5月にコロナが5類になったということで、マスクを外してくる子ども達が格段に増え、ようやく子ども達の表情を見ることができた年でもありました。

笑った顔、怒った顔、泣いている顔に嬉しそうな顔…。子ども達ひとりひとりのいろいろな表情にであえました。「○○ちゃんはこんなふうに笑うんだー」「○○君はあんなに一生懸命顔を赤くして頑張ってるなー」「あ…今○○君は怒っているみたい。どうしたのかな」などこれまで見えづらかった子ども達のたくさんの表情にであえました。表情が見えることで、こんなにも子ども達をいとおしく思えるのだということにも改めて気づいた一年でした。

表情は人とコミュニケーションをとる上で、欠かせないものでもあります。なにか小さなトラブルがあった際にも、よく子ども達には「お友だちの顔を見てみて。喜んでる顔してる?それとも悲しそうな顔してる?」と聞くと「悲しそうな顔してる」と年少さんでもわかります。「そうだよね。悲しそうなお顔してるよね。ということは、○○されて嫌だったんじゃないかな」と子ども達との橋渡しをする時にも、よくそんな対応をとっています。まだまだ相手の心までは読み取れなくても、表情から心を読み取ることは年齢の小さな子ども達でもできるのです。

マスクから遠ざかった今年度は、そのような意味で表情を通して友だちとのコミュニケーションもたくさんとることができた一年になりました。

そして今日、卒園証書を受け取った年長児ひとりひとりの表情は自信に満ち溢れたものでした。

卒園にあたって、年長のある女の子が、「勉強は一人で頑張れるけど、友だちを作るのは一人ではできないこと。だからKは小学校に行ったら友だち作りを頑張りたい」とおうちの人に言っていたそうです。

たくさんの友だちとの関わりを幼稚園で学んだからこそ、こんな心も育ったのかな…と思うと毎日の保育も報われる気がします。そして、そんなことに気づけるまでに子ども達ひとりひとりの心が成長したのだなーと思うと何だか胸がいっぱいになります。

友だちを作る力、仲直りをする力、頑張る力に自分でいろいろなことができる力。

自分の力で頑張らなければならないこともこれから先たくさん出てきますが、ひとりでは成し得ないこともたくさん出てきます。幼稚園の生活の中で、表面にはなかなか見えない心の根っこの部分が少しでも育ってくれていたら嬉しいです。

そしてこれから子ども達は、新しい場所で新しい風にふれながら、まかれた種から芽を出し成長していきます。

おひさまの光をいっぱい浴びて、土から栄養をたっぷり吸収して成長していくことでしょう。暑さや寒さ、時には大風や大雨にさらされることがあるかもしれません。それでも、その芽が踏ん張って、ゆっくりでいいからその子なりのペースで伸びていけることを願っています。

そして子ども達のこれからが、明るく平和な未来であることを切に願います。

 

 

園長   伊勢 千春

 

2024年03月05日

3月に入りました。

年長さんの卒園、そしてその他の学年の子ども達の進級を、いよいよ実感する月になりました。

どの学年も今はクラスや学年の総まとめの時期です。

年長さんは、卒園式の練習も頑張っているところです。卒園式はひとりひとりの最後の幼稚園での姿になるわけですから、子ども達も年長の担任にとっても気が引き締まる思いです。その傍ら、少しでも幼稚園の楽しかった思い出を作れるようにしていきたいという思いもあるため、バランスをとって卒園までの日々を過ごしていきたいと思っております。

年少さんや年中さんも新年度になるとクラスや担任がかわるため、現在は担任交換をしてみたり給食の時間にはクラスを解体して違うクラスの友だちと食べてみたり。風の子公園の園外保育に出掛ける際も隣のクラスの友だちと手をつないで歩いて行くなど、同じ学年同士でクラスの友だちの枠を外した活動計画を立てながら、スムーズな進級ができるよう配慮しています。

 

3学期は有志のお母さんたちで構成されている各サークルの皆さんも大活躍でした。

一年を通して子ども達にたくさんの『お楽しみ』を用意して下さり、楽しませて下さいました。

バレーボールサークルの皆さんは『めるへんたいむ』のコーナーに参加し、体を使ったあそびのコーナーを企画して下さり、たくさん子ども達とあそんでくださいました。コールめるへんさんは、卒園していく子ども達を送り出すのにぴったりな歌や子ども達が知っている歌をステージで披露して下さり、お母さん達と子ども達の素敵な歌声がホールに響き渡りました。絵本サークルさんは、年長さんが大好きだった『エルマーのぼうけん』の絵本をモチーフにした劇や1年生の教科書にも載っている『サラダでげんき』の劇などを演じて下さり、子ども達にたくさんのメッセージを伝えてくださいました。そして物づくりサークル、はんどあんどはあとさんは子ども達にいつも手作りのプレゼントを作ってくださったり、卒園式で年長児が身に付けるコサージュを全て手作りして下さったり。挙げたらキリがないくらいたくさんの想いを子ども達に向けて下さっています。

それは、サークルさんだけではありません。親父の会のお父さん方も、年2回の『お父さんとあそぶ会』の企画から当日の運営進行、そして芋ほり体験時のお手伝いや節分行事の鬼役、子ども達には秘密の年長児お泊り保育キャンプファイヤー時の火の神などたくさん子ども達のために尽力してくださいました。

当園はこうしてたくさんの保護者の皆様に支えられて、子ども達がスクスクと健やかに成長していることを日々感じます。

共働き世帯が増えたり大人だっていろいろな事情があり忙しい世の中になってきたりしているものの、こうしたお父さんやお母さん達の活動はやっぱり子ども達の成長には欠かせないものだと実感しています。いつの時代であっても、保護者の皆さんが我が子だけでなく、園に関わること、子ども達に関わることは、幼児期の子ども達の成長により良い影響を与えていると思っています。そして園と保護者とが一体となってこのような環境を作っていくことをこれからも大切にしていきたいと改めて思っています。

 

たくさんの『ありがとう』が溢れる3月。

一日一日をかみしめながら保育にあたっていきたいと思います。

 

 

園長   伊勢 千春

 

 

2024年02月14日

先日、自宅ポストに入っていたフリーペーパーに『子どもが描く未来・理想の家』というタイトルで絵画が2枚表紙に載っていました。子どもが自由な発想でこんな家があったらいいなという想像画でした。

めるへんでも絵画活動はもちろん行っており、年長になると『想像画』として『こんな乗り物あったらいいな』とか『魚の王様ってどんなかな』など、想像を膨らませながら楽しめる造形活動を行っています。クレヨンや絵の具を使って自由にのびのびと絵画活動を楽しめたらいいなという思いです。

そして、このフリーペーパーの表紙に載っていた二枚の絵と解説などを目にし、ふと作品の名前に目をやると、「あれ?これはめるへんの○○ちゃん?!」しかももう一枚の絵は「ん?!こちらは卒園生の○○君…?!」と二枚の絵がめるへんの在園児と卒園生?という驚きでした。

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今年度は八木山動物園の作品展にも応募し、表彰された年中男児もおりました。もしかすると、もともと絵画活動が得意だったり描くのが好きな子だったりということがあったかもしれません。しかし、自由応募で描いてみたい、やってみたいと思うこと自体素晴らしい事ですし、それに寄り添って応募までの段取りを進めた親御さんも素敵だなと思います。

誰にでもそれぞれ得意なこと不得意なこと、好きなことや苦手なことがあるはずです。

当園の先生達の中にも絵やイラストがとっても上手な先生もいれば、文章を書くことが好きな先生もいます。ピアノが得意な先生もいればピアノは苦手だけど体を動かす運動あそびが得意な先生もいます。当然と言えば当然のことで、それぞれに得意分野や不得意分野があるのが当たり前でしょう。先生達を見ていると、ピアノが得意、イラストが得意、裁縫が得意だったり運動神経が抜群だったり。「○○先生と言ったらこれ!」というそれぞれ得意分野があって羨ましいな~と数年前に感じたことがありました。私の得意なことってなんだろう…私の個性ってなんだろう…と考えた時に得意なことや人より秀でていることが悲しいことに何も思いつきませんでした。以前一緒に勤めていたM先生も作り物がとても得意で自分で作ったブラウスを着て出勤したこともありました。ですからそんな先生達を横目に、私の得意なことって…とふと考えた時にひとことで言える得意なことが何も思いつきませんでした(涙)。私はこれといって得意なこともなければ個性もないのかも…ということを、ぼそっとM先生につぶやくと、「え…?千春先生なんて個性の塊じゃない」と言われてびっくりました。「え?どうして?人と比べてなにも秀でたところがないのに?!」と。しかしM先生と話をしていて、個性とは決して他の人と比べて秀でている部分があるということだけではないということに改めてその時気づきました。

得意なことにかかわらず、その人の持っている雰囲気だったり考え方だったりふるまいや行動だったり…全て含めて個々の『個性』といえるのですよね。

以前、当園に在籍していたMちゃんとお母さんはお魚に詳しく、特にグッピーにとても詳しくて、幼稚園にも飼育物として自宅で育てたグッピーを分けて下さったこともありました。私はMちゃん親子を「グッピー博士」と呼んでいろいろ教えてもらっていました。その当時「先生も何かの博士になりたかったな~(過去形)」とMちゃん親子につぶやくと、Mちゃんママから「え…?園長先生だって【めるへん博士】じゃないですか」と言われたことがありました。「誰よりも長くめるへんにいて、園長先生に聞けばめるへんのことはなんだってわかるじゃないですか」と言われたことがあり、目から鱗でした。「私がめるへん博士?!そうなの?!もしそうだとするならば、『博士』の名に恥じないように、もっともっと子ども達を見て、先生達を見て、保育も極めなければ」とやる気がますますみなぎったものでした(笑)。お恥ずかしながら何とも単純です…。

そういえばめるへん博士でふと思ったことがありました。私はこれまで「できれば○○を続けてみよう」とか「今日から○○を実践してみよう」と様々なことに興味があり、やってみたいという意欲や実際取り組んでみる行動力は多々ありました。しかし、これがなかなか続かないのです…。今回は絶対こうしようとかこれを頑張ってみようと思って勢い勇んで取り組み始めても、本当にごく短期間(数回)しか続かず、長続きしない性格で、それは家族には十分周知の事実です。自分でもかなり自覚はあります。だから「次は絶対!」とか「○○やってみようかと思って」という話を家族にすると「絶対無理だって。自分が一番よく知ってるよね」と取り組む前からピシャリと言われるのがオチなのです。

しかし確かにめるへんだけは、気がそれたことが一度もありません。もちろん落ち込むことも悩むことも多々ありますが、毎日が学びで、次はこうしようと決めたら絶対やりこなしたいし、問題を試行錯誤しながらなんとか解決したいし、楽しいことは皆とも共有したい…そうこうしている間に気づけばここでの生活だけは相当長い年月が経過していました。こんなに長続きしない自分がです。

大人も子どもも興味関心の向きどころは人それぞれ違いますし、得意なことも不得意なことも、好きなこともみな違います。だからこそそれが『個性』なのですね。自分の物差しも塩梅も人それぞれ。「みんなちがってみんないい」という言葉を聞きますが、その通りだなと納得です。

私も、人より秀でた特技などは全くありませんが、めるへんへの興味、幼児教育への関心は大きく、だからこそ長く続けていられるのかなと思うと、それが私の個性の一部として自分自身を受け止めていきたいなと思っています。

子ども達も私達大人もそんなひとりひとりが持つ個性を自分自身も受け止め、他の個性も受け止めていけたら、皆が補い合い輝けるのでしょうね。

 

 

園長    伊勢 千春

 

 

 

 

 

 

 

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