園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2023年11月06日

めるへんではこの時期あたりから柑橘系の種を家庭に呼びかけ、たくさん集めています。集めた種は黒ポットに植えて、冬の間は保育室などで春が来るまで大事に育てています。春になると種から芽が出て葉もつけ少しずつ大きくなり、やがてアゲハチョウがやってきて卵を産み付けていきます。そのアゲハチョウの卵を各クラス育て、幼虫→サナギ→成虫という過程を観察したりお世話したりしながら小さな小さな命の循環を身近で体験しています。

そんな取り組みは15年以上前からめるへんの恒例の教育活動として今も根付いています。

柑橘系の種を植え育て始めたころから、子ども達の興味は柑橘系の種だけにとどまらず、家庭からありとあらゆる種を持ってきては黒ポットに植えたり、園庭の片隅や裏庭に植えたりしながら本当に芽は出るのか、どんな芽が出るのか、どんな葉をつけるかなど、想像を膨らませながら種植えを楽しんでいました。

そして約15年前。

Y先生のクラスのAちゃんが家から持ってきた一粒の柿の種をAちゃんが裏庭に植えました。その一粒の柿の種が立派な柿の木に成長し、一昨年初めて実をつけました。初めて実をつけたこの年はたった1~2個。しかしとても良い形でピカピカしていて驚きと嬉しさとで、これは絶対美味しいだろうとY先生と一緒に味見をしてみたら…なんと…!…あとはご想像にお任せします…(笑)。

そんな柿の実も昨年は6~7個ほど実をつけましたが、今年はこれまでとはケタ違い!実がひしめき合い、たわわに実った実の重さで柿の枝が幼稚園隣の駐車場にも大きく侵入する事態に💦

そしてめるへんでは秋の恒例行事として干し柿作りを行っているため、毎年柿を購入しておりましたが、今年はこのめるへんの柿で干し柿作りにチャレンジしたいと年長さんが名乗りを上げ、早速収穫してくれました。

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かなりの……かなりの数です!

先輩めるへんっこの興味から始まり、これほどたくさんの実をつけた柿の木に、感動です。たった一粒の小さな種から15年もの時を経て(しかもほったらかし(笑))後輩めるへんっこたちが収穫し干し柿作りに挑戦だなんてとてもとても感慨深いです。

同じ時期に育て始めた風の子公園のどんぐりの木も、今では10m近い高さを誇っています。柿の種もどんぐりも、一粒の大きさは1~2㎝程度なのに、こんなに成長し大きくなっているのです。今も昔も変わらずめるへんっこ達が元気に成長している様子とこれらの木が重なって、なんともいえない感覚になります。

柿の種を植えたAちゃんが今回の事を知ったら…もしかしたら一粒の柿の種を植えたことすら忘れているかもしれませんから、大変驚くことと思います。しかし、Aちゃんが植えた柿の種ということを15年近く経っても覚えている当時担任だったY先生もすごいですよね。

そして現在小学校3年生の卒園生のHちゃんが時々遊びに来る時には、いまだに柑橘系の種を持ってきてくれているとか。卒園して3年経った今でも柑橘類を食べた時には洗って乾かして持ってくるという習慣が身についている、そんなHちゃんにも感心してしまいました。(ちなみにこのHちゃん、洗って乾かさずに持ってきて種にカビが生えたという失敗の経験以来、しっかり乾かしてから持ってくるようになったようです。)

 

こうしてめるへんっこの興味が今でも引き継がれ、めるへんならではのあそびや活動も時を超え受け継がれています。

豊かな活動、豊かなあそびはいつの時代も。

 

 

園長  伊勢 千春

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