園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2023年05月22日

5月も終盤に入りました。

園舎内のあちこちから元気に聞こえてきていた「ママ~(号泣)」の泣き声も、徐々に減ってきており、少しずつ新しい環境に慣れてきている様子です。

さて5月初めのゴールデンウィークに、以前当園で働いていた一つ上の先輩と会う機会がありました。現在、大阪に住んでいるということもありコロナの影響で数年ぶりの再会でした。一緒に仕事をしていた時は、私に同期がいなかったこともあり、このY先生が近い存在で、いろいろなことを教えてくれたり仕事の悩みを聞いてくれたり。当時から子ども達の成長を一緒に喜んだり面白い出来事に爆笑したりしながら、保育を一緒に楽しんできました。お互い保育の壁にぶつかった時は励まし合ったり知恵を出し合ったりと、何とか頑張っていこうという気持ちで共に戦ってきた戦友のような存在でもあり、とても心強い先輩でした。歳が近いこともあり、休みの日にはドライブや温泉、スキーなどにも一緒に出掛けて、また仕事も頑張ろう!とお互いの活力にしていました。今思えば、仕事にも遊びにも全力だった時代でした。そうそう、誤解がないように付け足しておきますが、今だってもちろん仕事も遊びも自分なりに全力で取り組みながら、私生活も十分満喫しています(笑)。しかしその質は、当然ながら年齢や自分の周りの環境と共に少しずつ変化しています。

この日、共にめるへんで頑張ってきたY先生との話題は、昔一緒に旅行に行った時の話題もあれば現在のお互いの子どもの事など様々でしたが、やっぱり「昔のめるへん話題」が満載でした。いまだに続いている行事や活動のこと、当時の園長先生にそれはそれは怒られたこと、そして卒園した教え子たちの現在の話等々。時々おなかがよじれるほど大笑いしたり共感してうなずき合ったり。しかし締めくくりは、やはり少々真面目な教育談義でした。現在Y先輩も大阪の保育園で現役保育士として働いているので、幼稚園と保育園の違いなども話題に上がりました。久しぶりに会ったと思えないほど、というか久しぶりに会ったからこそなのか、話題が尽きることなく、あっという間の一日でした。

当たり前のことですが、時代の流れと共に、社会も教育の現場も少しずつ変わってきました。仕事の効率化をはじめとする働き方改革なども注目され、Y先生と共に仕事をしていた時とはまるで違う仕事環境になりました。それでも、大切にしたいことやめるへんの根幹はY先生が在職していた時と全く変わっていません。

Y先生がめるへんを離れてから約20年。

最後は、「これからもめるへんをよろしくね」とY先生。20年も前にめるへんを離れたのにも関わらず、やはり根底にあるのはめるへんで培ってきた教育だったと今でも思うとつぶやいておりました。心はめるへんといまだつながっていることを実感した瞬間でもありました。そんなY先生の想いも受け、「子ども達の『心育て』を大切にしていくね」と話して別れました。

その日の夜、Y先生からこんなメッセージが届きました。

「めるへんの教育方針の根本を揺るがさずにめるへんを守ってくれている強い心に感動したよ。『心育て』というキーワードも久しぶりに聞いて、富田節(←初代園長)を思い出したよ。とってもいい時間をありがとう」

 

時代が変わっても、社会が変わっても、幼児期に経験させてあげたいことや大事にしなければならないことは、開園当初から全く変わっていないと思っています。

一番は子ども達の『心』がどう成長していくか。心がどう豊かに育っていくかだと思っています。そういう意味で『心育て』というキーワードは幼児教育から切っても切れない言葉だと思っていますし、とても丁寧に扱いたい言葉でもあります。

これからの時期、めるへんっ子たちがおおいにキラキライキイキ輝ける季節が到来します。裸足で園庭を駆け回ったり、どろんこの感触を楽しんだり、自然豊かな環境の中で心身共にのびのびと過ごす中から心豊かに育ってほしいと改めて思います。そしてたくさんの友だちや人と関わりながら『心の根っこ』をしっかり根付かせていきたい…そんな気持ちを新たにしたゴールデンウィークでした。

 

 

園長   伊勢 千春

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