園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2022年11月04日

11月になりました。園庭のイチョウの木はきれいな黄色に変化し、目を楽しませてくれています。少しずつイチョウの葉が落ち始め、子ども達がその葉を拾い、イチョウの葉で花束づくりをしています。園庭のコナラの木も少しずつ黄色やオレンジに紅葉し始め、日に日に変化する葉のグラデーションも秋の深まりを感じ取る一つとなっています。

さて、そんな秋の深まりとともに、先月、オンデマンドでの研修を二つ受け、私自身も学びも深めているところです。一つ目の研修は食物アレルギーについて、もうひとつは幼保小の連携や接続についての研修でした。オンデマンドの為、自分の時間のある時に受けられる良さがあり助かっています。

今年度は、私自身普段の年と比べると少し忙しい年となっております。理由は仙台市私立幼稚園連合会の役員になっており、研修部長という大役も仰せつかっているため、幼稚園の仕事の傍ら市内の研修担当の園長先生方と一緒に、幼稚園教諭のための研修会を計画しております。園の仕事との両立で、例年に比べハードスケジュールですが、幼稚園の事は先生達が、そして仙台市の研修会の事は他の研修部の園長先生方と連携を図り、なんとか頑張っているところです。

役員の引き受けは二回目ということもあり、大変なことは重々承知しておりましたが、この数年の間にリモート研修になったり申し込み方法もWEBでの申し込みになったりと研修会開催スタイルもかなり形が変わりました。ですから新しく覚えることも多く、心配事も多々ありました。しかし、今回思ったことは、このような研修会を陰で支え、開催してくださる方がいるからこそ、私も含め当園の先生達もこれまで様々な研修会に出て、たくさんのことを学ぶことができたのです。そう考えると、これまで先生達のために研修会を陰で企画し当日の開催までお世話してくださっていた他園の役員の園長先生方にも感謝の気持ちでいっぱいでした。

そして今回研修部役員になって学べたことがもう一つありました。

本来受講する側だった昨年度までは、研修会のテーマや講師の先生を見て申し込みをしていたため、同じようなテーマや二年続けて同じ講師の先生の講話では、申し込みを見送っておりました。そして、当園は満三歳児以上の子ども達のお引き受けのため、0~2歳児の乳児の研修内容についても受講を見送っておりました。しかし、今年度役員という立場からほぼ全ての研修を受講することになり、自分にはあまりかかわりのない分野だと思っていた研修も、講師の先生の話を聞いてみると、0~2歳はこんな風に保育士さん達が愛情を注いで子どもとの関わりを充実させているんだと勉強になったり、年齢が小さい分安全面においてはこんなところにもアンテナを張っているのかと驚いたり。本当に役立ったと心から思っています。同じ講師の先生の同じテーマの研修でも、新任で受講するのと、5年目、10年目、主任、園長と立場が変わって受講する研修とでは学び方がまるで違うことに気づきました。学びの入り口も違えば出口も違う、だから一回受講したからもう大丈夫…ではないのですね。

初代園長もよく会議のたびに同じ話を何度も何度も繰り返していました。若い頃は、「園長先生、私たちに話したことを忘れているのかな?」「また同じ話してる」なんて、大変失礼なことを思っていました。しかし、今この立場になってみると、大事なことは何度も繰り返し先生達に伝えたくなるのです。かりに今は話を聞いて心にスッと入らないことも、何度か聞くうちに「そうそう!そんなこともある」とか「うんうん、それってすごく大事」と心に響く先生が一人でも現れたなら〇と思っています。若い頃はそんな失礼な思いでいましたが、のちに心に響き、身についた教えというものは何十年経っても忘れないものとなるのです。

今回受けた二つのオンデマンドの研修もこれまで何度か受講したことのあるものでした。しかしここ数年は受けておらず、数年ぶりに受けた研修は全く目新しいものに感じました。もちろん大事なところは、「やっぱりここが大事なのは変わらずだな」と再確認できたり、「2~3年の間にこんな新しい取り組みもしているんだ」など、新たに当園にも取り入れてみたい内容だったり。中には目からうろこ!という内容もありました。

 

大人の学びもそうであるように、子どもの学びも一度知ったから終わり…ではとてももったいないし、もしかしたら本当に心で理解するには何度だって同じことを学ぶこともいいのだろうと今年改めて思いました。学びに年齢は関係ないし学ぼうという意欲さえあれば何度だって学びから違う発見ができるかもしれません。

言葉は常に生きているし受け取り側の心も生きています。だからこそその時々でどの言葉やフレーズが心に響くのかは個々によって違うでしょうし、自分のその時の状況によっても違ってくるかもしれません。

役員としての研修部のお務めは2年任期。来年一年残っております。普段の年に比べれば忙しさも倍増ではありますが、来年度も幼稚園の先生達がより豊かな学びができ、それを子ども達に反映していけるような企画運営を行っていけるよう、私も頑張りたいと思っています。そして、何よりも私自身も様々な新たな学びができることを糧に取り組んでいきたいと思っております。

 

 

園長    伊勢 千春

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