園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2022年10月10日

10月に入り、朝晩はすっかり涼しくなり一気に秋が進んできました。

園に隣接する風の子公園の木々も、緑から黄色やオレンジに模様替えを始めています。

園庭のコナラの木に実っているどんぐりも、少し前までは色鮮やかな緑色だったのに、少しずつ茶色に変化してきていることを子ども達が知らせに来てくれています。

秋は運動会も終え、友だちとの仲の深まりやクラスの一員というより強い一体感が生まれる時期です。そして秋が深まっていくのと同じように、あそびも充実し、子ども達の心も深まってより一層豊かになっていく時期でもあります。

 

先日、年中ほし組のクラスだよりにほっこりする記事が載っていました。

童謡『どんぐりころころ』をクラスで教えていたある日の集まり時。A君が「どんぐりはどうやってお山まで帰ったんだろうね」と歌の続きが気になる様子。その後、子ども達の想像が膨らみ「どんぐりのお尻はドリルみたいだから、穴を掘って帰ったんじゃない?」「どじょうが送っていったのかなー」と歌の続きについて話が盛り上がった様子。そして子ども達のワクワクが膨らみ、ほし組オリジナルの三番の歌詞が出来上がったそうです。

せっかくなのでほし組オリジナルの『どんぐりころころ』の三番をご紹介します。一番からの歌詞を懐かしみながらお楽しみください。

 

『どんぐりころころ』 作詞:青木存義     作曲:梁田貞

どんぐりころころ ドンブリコ
お池にはまって さあ大変
どじょうが出て来て こんにちは
坊ちゃん一緒に 遊びましょう

どんぐりころころ よろこんで
しばらく一緒に 遊んだが
やっぱりお山が 恋しいと
泣いてはどじょうを 困らせた

~オリジナル三番~ 作詞:ほし組の子ども達

どんぐりころころ 帰ります                                         お池を掘って 帰ります                                        どんぐりドリルで お山まで                                      どじょうとさよなら ばいばいばい

 

毎日三番まで歌っていることがクラスだよりに綴られていました。何ともかわいらしくほっこりする歌詞の上、そのオリジナルの三番をまじえた歌を歌っている光景も、想像するだけでほっこりし笑みがこぼれてしまいます。

ちなみにこの『どんぐりころころ』の作詞者、青木存義氏は宮城県松島町の出身。幼少期の自宅の庭には「どんぐり」が実るナラの木があり、その横には大きな「池」があったそう。青木氏は朝寝坊な子どもであり、それを改善したいと母親が知恵を絞り、庭の池に「どじょう」を放し、どじょうが気になって青木氏が朝早く起きるようになるのではないかと考えてのことだったそうです。この作品は、当時の思い出を元に制作されたと言われているとのこと。松島という馴染みのある宮城県で生まれ育った青木氏と、三番の歌詞をみんなで楽しみながら想像し考えた子ども達とのつながりに、何だか感慨深い想いに浸ってしまいました。

子ども達の豊かな想像力はこうして何気ない身近なところから磨かれていくのですね。少しずつ秋が深まっていくのと同時に、子ども達の心も豊かさに深みが増していくのだろうと思うと、これからの時期がますます楽しみになりますね。

夜に聞こえてくる虫の声、色鮮やかな紅葉、落ち葉を踏んだ時のカサコソの音。見上げる秋の空も、これまでの夏の空とはまた違った空に見えるものです。

日々の忙しさの中でも、私達大人もそんな周りの変化を楽しめる心のゆとりができたらいいですね。子どもを取り巻く私達大人がそんな心のゆとりを持ち、少しでも心豊かに過ごせたら、きっと子ども達も自然に心健やかに育っていくでしょう。

これからのいい季節。

隣の風の子公園へもたくさん足を運び、自然の中で五感を研ぎ澄ませ、より心の充実がはかれるような、そんな環境づくりに努めていきたいと思います。

 

 

園長     伊勢 千春

 

 

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