園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2022年07月19日

早いもので、明後日から夏休みが始まります。

一学期もあっという間に過ぎていったという印象です。

今年の春は例年に比べると泣いて登園する子も比較的少なく、涙で登園していた子もいつのまにやら笑顔で登園という印象でした。このような姿も、家庭という小さなコミュニティーから外の世界に飛び出し、初めての環境の中で集団生活を行うわけですから立派な成長の姿と言えます。進級児も慣れた担任や仲良しになった友だちから、クラス替えをし新しい担任や友だちの環境下に置かれるわけですから、緊張や戸惑いもあったと思います。しかし、こういう環境の中だからこそ、新しい環境に馴染む力や新たな友だち作りなどコミュニケーション力も養われていくのだと思います。

先週、担任達は一学期のクラスの子ども達の成長の様子をクラスだよりとしてまとめるのにいそしんでいました。どのクラスも4月からの約4か月の短い間で、子ども達がグーンと成長している様子を綴っています。

年少組では、着替えや生活習慣面で、自分の事を自分でしようとする意識が生まれてきたこと、初めての裸足、初めてのどろんこ、初めての感触あそびなどはじめてをたくさん経験してきたこと、そうやって少しずつクラスの先生やお友だちという意識が芽生え笑顔が増えていったこと、そんなことが綴られています。

年中組は進級当時は旧クラスの友達と遊ぶ姿がほとんどだったのが、当番活動やクラス活動を経験していきながら新しいクラスの友達に目が向いて、仲良しの友達がふえていったこと、そして年少の時から比べ生き物への興味や新しい事への興味挑戦がどんどん膨らんできたことなどが挙げられていました。自分の気持ちを自分の言葉で相手に伝えるという積み重ねも各クラス丁寧に行ってきたようです。

そして年長さんはやはり幼稚園では一番のお兄さんお姉さんになったことで、泣いている年少さんがいると「どうしたの?」と声をかけたり頭をなでてあげたり。年少さんのお世話をだいぶしてくれたようです。体育教室が週一回始まったこともあり「できない」「無理」とすぐ言わずに、難しそうと思ってもまずはチャレンジしてみるという前向きな気持ちなど、心の成長が中心に書かれていました。

クラス毎のお便りを全て目にすると、具体的な成長の様子がわかり、本当に子ども達の成長を顕著に感じることができます。大人の一年はそうたいした変化がないように感じますが、子どもの、しかも幼児期の一年の成長は本当に大きいと実感します。日々のひとつひとつの小さな積み重ねがあってこそですね。

 

年長組は、明後日から二日間、お泊り保育です。心の育ちを感じることができる行事のひとつがこのお泊り保育だと思っています。

ここ数年、コロナの影響を受けて以来、お泊り保育の実施に関してたくさんの検討を重ねてきました。お泊り保育を行事として行う幼稚園が少なくなってきているのが事実です。しかし、幼稚園に泊まるなんて、子どもにとってはワクワクドキドキの行事でしょう。子ども達からすれば、『幼稚園に泊まる』なんていうことは、非日常の出来事です。日々の経験ももちろん大事ですが、非日常のスペシャルな体験も同じくらい大事で、子ども達には経験してもらいたいという欲張りな想いは、コロナ禍においてもいまだなくならずにいます。おうちから離れてのお泊りは不安もあることと思います。しかしこういう経験を経て、自立するきっかけになったり自信をつけていく機会になったりしてほしいと願って行事の計画を立てています。最初はおうちから離れて寂しい…という気持ちからスタートだったとしても、みんながいたから泊まれた、お母さんがいなくても自分のことができた、家族から離れてもみんなと楽しく過ごせた、という経験は子ども達ひとりひとりの大きな大きな自信につながることと思います。

しかし、宮城県でも新型コロナウイルスがここにきて急増している状況で、無事年長組のお泊り保育が行えるかどうか、数日前からかなり心配が募っています。このような教育への想いと子ども達への想いがあっても、新型コロナウイルスの状況によっては泊まることが難しいと判断せざるを得ない状況になるかもしれません。春から計画を練ってきたものは準備万端の状況であり、あとはお泊りを迎えるばかりですが、感染状況に合わせ臨機応変に工夫しながら進めていこうと、現在もまだ細かな調整を図っています。万が一計画していたものと形が変わったとしても、年長さんの思い出に残るような行事を行いたい…ただその一心です。そんな想いだけは年長の保護者の皆様にも届いてほしいと願っています。

 

 

園長    伊勢 千春

 

 

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