園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2022年02月14日

先週から新型コロナウイルスの波がとうとう当園も含め、近隣の小学校など、この辺の地域にも押し寄せてきています。

これまでも子ども達を受け入れるため、感染を拡大させないための教育環境を懸命に整えてまいりましたが、今回のオミクロン株は皆さんご承知の通り、感染力がかなり強そうです。しかし、これまでの情報では、子ども達に関しては普段の風邪症状と変わらずに終わっている子がほとんどのようです。しかし園でも、どうにか感染を広げないために…と思うと、やはり消毒や子ども達の制限は普段より圧倒的に多い状態にならざるを得ない状態です。

感染拡大防止のため子ども達に様々な制限をかけようと思えばできますが、制限ばかりに目が向いてしまうと、子ども達の教育環境的にはよくないとの思いもあるため、どこまでやればよいかという部分が本当に難しく、悩む日々です。その中でもポイントをしぼり、感染対策をしていくしかないと思い実践しています。

現在は室内でも戸外でもマスクを推奨し活動していますが、給食時には学校のように個々の机があるわけでもないので個々での食事が難しい…しかし、できるだけテーブルの正面ではなく斜めに座らせたりテーブルを縦長に使い距離をとって座らせたりし、パーテーションも使用しています。また、ホールの広い空間を利用し時間差をつけて食事のとれるクラスを増やせるよう工夫しています。しかもホールでの給食は今現在、一方向を向いての食事にしています。

先日給食時にクラスをまわってみると、年長組では小学校に入学してからのプチ練習として3学期に入ってから黙食にもチャレンジしておりましたので、とても静かに給食を食べておりました。しかし驚くことに年中少もほぼ黙食に近い状態で食事していました。本来食事とは会話をしながら楽しいものであるべきなのにと思うと何だか切なさもありました。しかし、今、マスクを外して楽しく会話をしながら給食を食べたら、当園でも感染があっという間に広がるでしょう。そうなれば休園措置を取らねばならなくなったりご家族にも広がり保護者の皆さんの仕事にも支障をきたしてしまったりという恐れもでてきます。そう考えると今はやむを得ない状況なのだろうと、様々な想いが堂々巡りしています。

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マスクの正しい着用もなかなか難しい年齢の子ども達ですから、年少さんなどには鼻が出ていても「マスクちゃんとつけて」というような指示語になってしまわないよう、「あっ!お鼻でてるのみ―つけた。お鼻もかくれんぼしてねー」などと伝えることが今の私の精いっぱいの子ども達への対応です。

小さい子たちなりに何となくわかっていてみんな頑張っているし先生達も日々の作業のほか、毎日の消毒や相当気を使いながらの保育を行ってくれており、本当に感謝しかないです。また、立春は過ぎたと言え風がまだ冷たい時期ですが、子ども達も先生達も外あそびを中心に活動し感染が広がらないよう努めてくれています。

保護者の皆様もこの状況の中なので、園へ送り出すのもたくさんのご心配があるかと思います。現在の状況を鑑み自主的に少し落ち着くまでお休みをするというご家庭も多く、家庭で過ごす時間も大変だろうと想像します。

様々なところで様々な人たちが頑張っている状況を想像し、こんな時だからこそ周りへの想像力を普段よりも働かせ、一方向からの見方だけをせずに取り組んでいきたいと思っているここ数日です。

 

そして今の最大の心配は卒園式。あと一か月先なのでなんとか状況が良くなることを願いながら計画を進めています。それに伴う年長さんのお別れ会。現在縦割り活動は控えていますが、お別れ会は年少年中児から年長さんへ「ありがとう」の感謝を伝える日のため例年縦割りで行っています。私達教員からも、毎年恒例お楽しみの劇をプレゼントしていました。今年も劇は年少中の担任が中心となり、もうすでに「めるへん劇団」の練習を進めておりました。しかし、このような感染の広がりを受けてどうしようかと先週頭を悩ませておりました。劇は子ども達からいつも大好評ですが、とにかく劇となると子ども達は大興奮!いつもホールが歓喜の渦に飲み込まれています。先生達とは今年計画を立てていた劇も間違いなく大興奮してしまう内容に違いない!という話になり、子ども達が大興奮しない内容の劇にする…?でもそんなつまらない劇は私達のポリシーに反するよねという話になりました。それなら先生達の合奏は…いや劇に比べたらはるかに楽しさが半減してしまうし…など、歓声のあがらない大興奮しない内容を考える方がはるかに難しい!!と改めて思いました。子ども達を楽しませることにかけてはアイディアがどんどん出てくる先生達ですが、歓声があがらず静かに観る…という内容を考えるのは、なんて難しい…と思う先生達でした。

しかしみんなの頭を突き合わせればいいアイディアというのは生まれるものです☆

年長さんを喜ばせるための劇に変わるナイスアイディアが生まれ、今年は初めての試みのお別れ会にしようと先生達みんなで盛り上がりました。今のこの状況に適した、でもちゃんと年長さんにありがとうの気持ちが伝えられるようなそんな会になるよう計画の練り直し中です☆

コロナの蔓延で心も落ち着かず神経もピリピリするような今だからこそ、私達大人がより明るくより前向きに取り組む姿勢を子ども達にも示していきたい…そう強く感じています。

 

 

園長    伊勢 千春

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