園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2022年01月05日

あけましておめでとうございます

新しい年が始まりました。皆さんはどのような新年を迎えられたでしょうか。

私は例年年末年始に両家の実家に1泊ずつお泊りするのが日課でした。しかし、昨年は初めて両家に泊まらず自宅で新年を迎えました。昨年の今頃と比べると、今年はまだいくらか状況が落ち着いているものの、念のため今年も両家への泊りは控え、自宅で年越しをし、年が明けてから両家へ新年の挨拶に行き、その時親戚とも顔を合わせました。 マスク会食を努めましたが、やはり皆で顔を合わせたり食卓を囲んだりするのは格別で楽しいなとつくづくそう感じたお正月でした。

そして2日には塩竈神社にお参りしてきました。初詣は新年を迎えたという実感もわき、身が引き締まるため毎年欠かさずに行っています。おみくじは大吉!単純ですが、気持ち明るく足取り軽く帰ってきました。

そして今週末、娘が成人式を迎えます。

私も親になって20年が経ちました。まだまだ未熟な親ですが、何とか子どもを育てながら自分も一緒に親として成長してきたという感じです。これだけ子ども達に携わる仕事をしていても、自分の子育てはなかなかうまくいかないものでした。親の想いを子どもに向けても同じ熱量でしっかりと子どもが心で理解できるかといえばそうではなく、反省となぜ上手くいかないのだろうという葛藤が続いていた子育て時代でした。ここ数年でようやく親の手を離れつつあることを実感し始め、本当の意味で口を出さずにただただ『見守る』子育てに移行してきました。

先日、成人式を迎えるにあたって「将来の夢とかこれからどうしたいとかあるの?」と娘に聞いてみました。すると少し考えてから「周りの友達には前から言ってたことだけど、私、将来ママみたいなお母さんになることが最終目標なんだよね」という答えが返ってきました。「え?こんなお母さん!?そしてそれが最終目標!?」と、娘のそのひとことに思わず聞き返してしまうほど、正直驚きました。
今年で大学3年生になるので、そろそろどんな仕事につきたいとかどんな会社を目指してみたいとか、直近の目標がでてくるとばかり思っていました。しかし娘曰く、「それはもちろん考えなきゃならないことだけど、通過点にしか過ぎないからそれが二十歳になったことへの決意のようなものにはならないな」 と。そして「自分がこれまでこんなに伸び伸びと楽しい人生を送ってきたから、自分が将来家庭をもったら子どもにもそんな人生を送らせてあげたい。だからどんな仕事につくとかどの会社に入るとかいうよりも、自分が歩んできたような楽しい人生を過ごさせてあげられるような、ママみたいなお母さんになることが夢なんだよね。」と言っていました。
そして 二十歳になり改めて言いたいことは、この家族で良かったということだと。それは、祖父母や親戚などを含めてのことのようでした。

そんなふうに今思えているのか…と思ったら、なんだかこれまでの子育ての荷がすっと降りたような感覚になりました。

なぜなら

子育て全盛期は、もっとスムーズにもっと上手にもっと子どもに寄り添った子育てができたら…という葛藤の日々だったからです。
何度幼い我が子の寝顔をみて、反省や後悔を繰り返したことか。今思い出してももう一度やり直したいくらい後悔だらけの子育てしかやってこれませんでした。スムーズなどとは程遠く、むしろ毎日がでこぼこ道でがむしゃらだった子育て時代を経て20年が経ったという印象です。後悔しっぱなしのダメダメの子育てで、ましてや働きながらの私流の子育ては、丁寧さには程遠く、むしろ時短大好き適当母ちゃんでした。しかしこうして、今娘からお母さんとして合格をもらえたような、そんなお正月になりました。
今、子育てでうまくいかないと感じていたり悩んだりしているお母さんたちも、その想いはいつか我が子に届き、私のようにがむしゃらに頑張ってきたことが報われ幸福に手が届く日がきっとくるだろうと思います。

しかし最後にはやっぱりオチがつきもの(笑)

基本クールな現代っ子である我が娘曰く
「『育ててくれてありがとう』とは思うけど、一番にくる言葉ではないな。なぜなら子どもを育てるのは親の義務だから。」
・・・(へ?!これまでの少し深いい話はいったいいずこへ…)と心が一気にモヤってしまいました。しかし、そのあとに続けて「だけどその当たり前の親の義務ができることがすごいと思う。3食のご飯を食べさせたり幼稚園や学校に行かせたり毎日お風呂に入れて寝かせたり。その当たり前の同じことを毎日毎日できるお母さん達って今の自分からしたら本当に尊敬する。すごいと思う!」と。

そうなんだよ。お母さん達ってみんなホントにすごいんだよ。我が子よ!ようやく親の偉大さに気づいてくれたか!(笑)

今はまだそれに気づいていない子どもたちも、いつかきっと親のありがたみに気づく時が来るでしょう。

ここまで育ってくれて ありがとう

私をお母さんにしてくれて ありがとう

成人式を迎える娘に、私からもそんな言葉を送りたいです。

園長    伊勢 千春

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