園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2021年09月13日

セミやひぐらしの泣き声がついこの間まで聞こえていたと思っていたら、いつのまにやら今度は秋の虫の鳴き声にバトンタッチしましたね。自然界に生息している虫の声で季節の変化や移ろいを感じることができるなんて、素敵なことですね。

新学期になり、クラスごと園に隣接している風の子公園へも散策に出かけていくのをよく目にします。2学期に入ってから担任が発行する『クラスだより』にも風の子での様子が載っていて、こんなふうに自然の中で過ごしているのだなという様子が、手に取るように分かります。内容は、どのクラスもここ最近、風の子公園での『コオロギ』と子ども達の様子が書かれています。

秋になると、よく公園では夏に伸びた草が刈られ、その草が一か所に集められ山のようになっている光景を目にしますが、その草山にはたーくさんのコオロギがいるのです。きっと保護者の方の中でも、小さい頃そんな光景を目にしたり体験されたりした方もいらっしゃるだろうと思います。私も幼い頃から好奇心が旺盛で生き物が大好きだったため、この時期は公園や広場に行き、枯草の山をひっくり返してはとび出すコオロギを何匹も見つけて飼育ケースで飼っていました。そして夜に羽をふるわせこすり合わせて出す音を聞きながら眠りについたものです。どんなふうにこすり合わせて音が出ているのかをこっそり起きて見ていたこともあり、今の時期の先生達の風の子の記事を読んで、自身の幼少期の楽しかった記憶がよみがえり、ひそかに懐かしんでいます♡

年少さんは初めてコオロギに出会う子も多く、コオロギがピョンピョン跳びまわるたびに「わぁ~!!」「きゃ~!!」と歓声のような悲鳴のような声がこだましている様子(笑)。たまたまカマキリとも遭遇した日があり、一緒の飼育ケースに入れたらカマキリがコオロギを食べるという、年少さんにはこれまた衝撃の瞬間にも出くわしたそう。生きているものをエサとしなければ生きていけないカマキリと、子ども達がようやく捕まえたコオロギが食べられてしまうという衝撃事実も目の当たりに。こんな自然の原理にも遭遇し始めている年少さんですが、中には家庭から梨をもってきて虫かごに入れてくれた子がいて、その梨にコオロギがピョンと飛び乗り食べている様子を見て「食べてる~!!」「おいしいのかな~♡」と喜び、ほのぼのした時間が流れている様子がありました。

年中さんは、コオロギやバッタを知っている子もいれば知らない子もいたり、見たことはあるけれど名前が出てこなかったりと様々な様子。つかまえてみたいという意欲や興味は年少児と同じようにありますが、さらに「図鑑で調べてみよう!」とより興味をもって知りたい意欲が生まれている様子がうかがえます。そういう子どもがでてくることで、これまであまり興味が向かなかった子にも新しい分野への興味が浸透していきます。

そして年長になると、コオロギがすばやく、とるのにコツがいることをだいたいの子ども達が習得しています。年少中に比べると、コオロギを捕まえるすべも格段に上がり、あるクラスでは30匹もつかまえ、虫かごの中が真っ黒になったこともあったようです(苦笑)。ただし、そこからがさすが年長さん。その後卵を産むところを見てみたいということになり、オスとメスを図鑑で調べ、あえて飼育ケースにオス1匹とメス2~3匹をいれて飼育しはじめたようです。

『生き物』ひとつをとっても、年齢の違いでこのように成長していくわけですから子どもの成長はすごいと思います。

生き物といえば、夏休み中に管理棟部分の改修工事を行いました。それに伴い、正面玄関もこれまでより広い空間になったこともあり、これまで職員室でお世話していたアカハライモリとウーパールーパーの水槽を玄関先に置いて、子ども達の目にいつでも触れられるように整えました。アカハライモリやウーパールーパーを初めて見る子も多く、子ども達にとってはこれまた未知との遭遇(笑)。「おなかが赤い」「指がある」「顔がかわいい」など、思い思いの感想を口にしながら水槽を覗いています。私も含め職員室組の教員達はみんなで水槽を洗ったりエサをやったりしているため、子ども達以上に愛着があるかもしれません(笑)。もちろん私も玄関先のかわいこちゃん達のお世話に毎日いそしんでいます。

生き物だけに言えることではありませんが、大人が興味をもって関わったり接したりすることで、子ども達にもその興味は広がります。口を大きく開けてエサにパクっと食らいつく姿を見ては「お!!食べたね!!」と歓喜し、エサを食べて口をもぐもぐさせている様子を見ては「かわいいね~」と一緒に共感する…そんな日常の何気ない心の通い合いを日々繰り返していける毎日に私は感謝しています。

 

幼稚園はそんな未知との遭遇がいっぱい☆

そこから芽生える子どもの興味もムクムク☆

 

下の写真の白い子はウーパールーパー。そして右の写真はアカハライモリです。今度園にいらした際には是非玄関先のかわいこちゃん達をご覧くださいね。

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園長    伊勢 千春

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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