園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2021年09月01日

9月に入り、日中はまだ残暑を感じる日もありますが、夜はだいぶ涼しくなり日が暮れるのも早くなって秋の気配を少しずつ感じられるようになってきました。

季節の変わり目は体調も崩しやすくなりますので、皆さんも体調の変化にお気をつけくださいね。

 

さて先日、たまたま目にした記事の中の写真に目が釘付けになりました。

それは、身近に落ちている葉っぱを切り絵にした写真でした。

葉っぱ切り絵が生む感動 就職でわかった発達障害、見つけた創作の道葉っぱアートの世界にほっこり!「リト@葉っぱ切り絵 ~1枚の葉っぱで表現する世界~」2021年8月25日~ | HIROBA!

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絵本の一場面を表現したものもあれば、作家さんが物語を創作し表現されている作品もあり、様々でした。

当園に隣接している、通称『風の子公園』は、公園というよりは森のようで、子ども達はしょっちゅう遊びに出かけています。そこにもたくさんの種類の木々があるため、大きさや形、色が違う葉っぱが落ちていて、子ども達は草花あそびをしたり葉っぱで工作をしたりしています。そんな背景もあってか、葉っぱをはじめ自然物は私にとってとても身近で興味があり魅力的なものなのです。そんなこともあり、技術だけでなく『葉っぱを使った切り絵』というところにも大変惹かれました。

そして、この作家さんが葉っぱ切り絵を始めた理由にもふれ、ますます興味がわきました。

この作家さんは葉っぱの切り絵に取り組む前はサラリーマン時代を過ごしており、不器用で容量が悪く物忘れがひどい状態でいつも仕事で怒られてばかりだったそうです。だから自分のことが嫌いになるくらい辛い日々を過ごしていたとのこと。直したくても直らない自分のダメな部分は病院を受診してみると『ADHA(注意欠陥・多動性障害)』によるものだったことが分かったそうです。特徴として『過集中』『こだわりすぎる』ということが挙げられ、今後どんなふうに生きていけばよいか紆余曲折しています。

しかし、小さい頃から人一倍集中力だけはあり、『ひとつのことに没頭すると周りがみえなくなる』という特性を強みに変えられる場所で生きていけないかと模索し、アートの世界へ飛び込んだそうです。作品を仕事として成立させるためには誰かの目に作品が触れなければならないため、一日一枚作品をつくりSNSにアップしたことが、徐々に世間に、そして世界に広まっていきました。この現象を、一日一枚『才能より継続』『才能より行動力』と作家は語っています。

葉っぱの中の小さな世界は作家本人にとっては、大きく広がった世界になったのですね。

そんな情報を得たら、ますます興味がわいてじっくり手にとって見てみたくなり、すぐに本を購入。ページをめくると一枚一枚の葉っぱの切り絵にタイトルと葉っぱに描かれた小さな物語が印字されていて、現在の世情がらどこかピリピリ張りつめた空気の中だからか、よけいに見ていてどれもあったかく優しい気持ちになれるようなそんな本でした。

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切り絵は『一度集中しはじめると数時間同じ作業に没頭し続けられる自分に向いている』と自己を見つめ分析し、自分の居場所を見つけた生き方は、本当に素晴らしいと思いました。それはどこか現在行われているパラリンピックにも通じる部分があり、人の生き方はその人自身によってこんなにも輝けるものになるのだと感じました。

一般的には『弱み』ともとれる部分を『強み』に変えていける発想や柔軟性を持ち得られるように私もなりたいな…と。人生まだまだ勉強ですね。

 

さあ、秋はこれからです。

スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋。秋はいろいろな分野を楽しめそう。是非皆さんも気になる分野を楽しんでみてください。

ちなみに私の今度の狙いは…やっぱり『食欲の秋』かな(笑)。

 

 

園長    伊勢 千春

 

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