園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2020年10月21日

先月、加茂地区にお住いのTさんからたくさんのメダカを分けていただきました。4種類のメダカを50匹ほど分けていただき、園庭に箱庭ビオトープを新たに整備し育て始めました。実はこの50匹のメダカ達はTさん宅で卵から育てた子ども達だそう。めるへんに引っ越してきた時は1,5㎝ほどの大きさでしたが現在は2㎝~2,5㎝くらいに大きくなり、すくすく育っています。どうやら新しい環境にもすっかり慣れてきたようです。

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子ども達は各クラスのメダカをはじめとする飼育物のお世話を中心に行っているため、Tさんから譲り受けたメダカ達のお世話は現在主に私と教務主任とで行っています。毎日のエサやりのほかに週に一回水の入れ替えと掃除をしています。このように毎日お世話をしているとみるみる愛着がわいてきます。最近は朝夕は水草の陰に隠れて姿が見えないことが多いので、「寒くなってきたからかなー」「ちゃんと生きているかなー」と少し心配になったり日中になれば元気に泳ぎだすので「気温が上がってきたからかな♡元気元気」と喜んでみたり。エサをやるときは「たくさんお食べ♡」と心の中でつぶやきます(笑)。

そして先日、Tさんが最初に分けて下さった50匹のメダカに続き、さらに30匹のメダカを分けてくださいました。その30匹のメダカは、今度は正門を入ってすぐのところにある園長室前のかめのなかに放しました。現在そのかめにはヌマエビが数匹いますので、こちらのメダカはヌマエビとの共同生活となります(笑)。

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まるで『めだかの学校』の歌のように自由にみんな仲良く元気に泳いでいる様子が毎日見られています。

月曜から土曜までは園でエサやりをしていますが、日曜日や祝日はTさんが「どのくらい大きくなったか私自身も見たいので」とおっしゃって下さり、園へいらしてエサをやってくれています。本当にありがたいです。地域とのつながりもうまれ、人とのつながりもうまれ、子ども達の興味の芽も育まれ、小さな命に気づくきっかけにもなると思います。そして今、Tさんと楽しみにしているのは水草の根っこに卵がついたら、子ども達にも見せて子ども達自身で卵をとる経験をしたり卵を育てたりできるといいねと話しています。各教室で飼っている水槽のメダカも卵を産んでいるので、卵をみたりとったりという経験は子ども達自身もありますが、ひとりひとりが経験できる機会が増えたらなおいいですね。卵から稚魚になり、エサを食べながらこんなふうに少しずつ大きくなっていき、そしてまた卵がうまれる…そんな命の循環を身近で体感していける環境を大事にしていきたいと思っています。

今の時代、様々な情報はネットなどで簡単に調べることができます。パソコンやスマートフォンを開けば何だって知ることができてしまう現代。大変便利であり調べて知ったことで知識も身についていきますよね。しかし、それを頭で知識として習得するだけでなく、自分自身で体得できたなら、それは格別であり本物になると思います。経験に勝るものはない。自分の目で見て自分で関わって感動を味わったり不思議さや神秘さを体感したりしていくような経験がたくさんできるような環境を考えながら、あそびや日常生活を通してより深い学びができたらと思います。

今後もメダカをこよなく愛しているTさんにいろいろ教えていただきながら私自身も感動や喜びを子ども達と一緒に体感し体得していきたいです。

園にお越しの際は、そっと覗いてみてくださいね。

 

園長     伊勢 千春

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