園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2020年02月06日

今年度5回目の避難訓練を先日行いました。

今回は火災を想定し、消防署と連携を図り、スモーク訓練と通報訓練を行いました。

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通報訓練は今回は職員室をいつも守ってくれている事務のS先生。訓練とはいえ実際119番通報するわけですから、少なからずドキドキするものだと思います。しかしS先生、とても落ち着いた対応でした。

そして、一階廊下の踊り場は設置されたスモークマシーンからでた白い煙があっという間に広がり、あたりは真っ白。「前が全然見えない…」「変なにおいがする」と時々声が聞こえ、そんな声がするたびに「煙を吸い込むからおしゃべりしません!」と私に一喝されるのでした。

それでも子ども達は教師の指示に従って、しっかり鼻と口をハンカチで抑えながら腰をかがめ避難することができました。今回は風の子公園から出火したという設定だったため園庭ではなくホールに避難しましたが、消防士さんからは避難の仕方についてとても上手だったとお褒めの言葉をいただきました。

そして消防署の方からは、「今回の訓練で発生させた煙は白くて少し甘い匂いがしたかもしれないですが、本当の火事の煙は真っ黒ですごく臭くて4~5回吸い込んでしまったら倒れて動けなくなってしまいます。」というお話も聞きました。訓練が終わった後、消防隊員の方からは万が一の時、命を守る方法としてさらにこうしていくとよいというお話をいくつか聞きました。その中で特に印象に残ったことがありました。それは、もちろん先生や大人の指示に従って動けること避難することは大事だけれど、最後に自分の命を守れるのは自分しかいない。だから幼稚園の子ども達のように小さくても、万が一の時どうすれば命が助かるかということを日ごろから家庭や幼稚園で子どもと話し合うことが必要なことだとお話をいただきました。例えば地震が来たらとにかく頭をしっかり守るということ、そして身の回りに落ちてきそうなものがあったりガラス窓があったりしたらその場から離れるなど、普段から子どもと確認すること。そして危険な場所は自宅ならどこか、幼稚園ならどこか、逆にここなら安全…ということを子ども自身に考えさせることなどが自らが考えて行動し自分の命を守ることにつながっていくということをいわれました。

当園の考えにおいても、『自分で考えて行動する』ということは普段の保育の中でも大きな比重を占め、子ども達の土台作りにおいて大事な部分と考えています。年齢によって自分で考えて行動する内容はもちろん変わってきますが、大人の指示で動けるから大丈夫…ではなく、3歳なりに5歳なりに自分で考えて動くことのできる子ども達の姿を目指しています。消防署の方のお話を伺い、これらの考えは最終的に自分自身の命を守ることにもつながるのだと、違う方向からの見方もできました。

後日、担任達が書いたクラス便りの中で「訓練用の真っ白な煙だったのに前の子と少し離れただけで見失ってしまいそうなほど視界が悪い。子ども達も私たちも煙の怖さを知る良い経験になった」「歩くと前が見えづらく前の人についていくのも大変。本当の火災はより黒い煙で暗くはぐれやすくなるだろうとハッとした」というような文が載っていました。子ども達だけでなく、担任も身をもって実体験したからこその声だと思います。だからこそ次はどのような点に注意を払いながら避難させたらよいかなど具体的な策がうまれるのだろうと思います。そのようなことを担任達も感じることができたならば、この訓練は実りあるものになったはずです。

今回、消防署の方からお話いただいた内容で即実践できるものはすぐにでも取り組み、次回の避難訓練でできるものは即次回から。地震や火災、災害はいつ起こるかわからず明日にでも起こりえるかもしれない。そう考えるとスピード感をもって行わねばならないこともたくさんあるはずです。これまで行ってきた避難訓練の計画や内容を再度よりよいものになるよう見直し、進めていきたいと思っています。

まずは次回の避難訓練。職員にも子ども達にも内緒の抜き打ち訓練を行います!

 

 

園長    伊勢 千春

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