園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年10月02日

9月中旬、長命館公園サポーターズクラブが今年で15年目を迎えられ、それに伴う記念式典にご案内をいただいたので参加してきました。

長命館サポーターズさんといえば、風の子公園の清掃活動を毎月定期的に行なって下さったり、除草・剪定作業を行なって下さったりと美化の面で仙台市の管理だけに頼らず、ボランティアで公園維持に努めておられます。また、地域の小学校の学習支援事業も行なっており、子ども達の学びのサポートにも一役買っておられます。私も詳しく知らなかったことですが、サポーターズクラブの中には里山部・歴史部・木工部・イベント部・広報部があり、各々の分野に力を入れた活動もされているとのことでした。

式典では、長きに渡り活動なさっていらっしゃる方々の功績を称えた表彰があったり、懇親会ではここまでくるに当たっての懐かしいお話があったりと充実した会でした。

私と風の子公園の出会いと言えば、私が新任でめるへんに来た2,3日後に当時の園長先生から、子ども達をたくさんあそびに連れて行く場所だから散策してどんな場所かしっかり見てこいと言われ、足を踏み入れたのが初めてでした。その年新任で入ったのは私だけだったので、一人で出かけていったものの途中で道に迷ってしまい園に戻れなくなったという出来事がありました。しかも道に迷って焦っている最中に茂みからガザガザっと音が聞こえ、キジが目の前にバサバサっと大きな音を立てて出てきたというハプニングが!!突然の予期せぬ出来事に「ぎゃあぁ~!!!」と、悲鳴をあげてしまいました。散策に出かけてからなかなか帰ってこない私を先輩先生達が探しに来てくれたというおまけつき…。今でも鮮明に覚えており、忘れたくても忘れられない思い出です(苦笑)。

そのころに比べれば、ずいぶん道も舗装されたり木の朽ちてきた部分なども整備されたりしていますし、私が自分のクラスの子ども達を連れて行っていた頃は、たばこの吸い殻やゴミ、雑誌なども随分落ちていたように記憶しておりますが、今はそのような光景もほとんど見受けられないように思います。安心して子ども達を連れて行けるのは、こうしてサポーターズの皆さんが定期的に清掃をして下さっているほか、各自で公園に足を運ばれたり見まわりをして下さったりしているおかげだと思います。

そして、子ども達が公園に出向いた際、サポーターズの方にお会いすると、草花のことや森の生き物のことなどいろいろ教えてもらっています。また、今はこんな花が見頃だとか、どんぐりの生育具合いがどんなだとか、風の子情報も教えていただいております。風の子で拾ったどんぐりや松ぼっくり、椿の実など、保育で活用できそうなものを頂いたり、子ども達に見せてあげたら喜ぶのではないかというものを分けて頂いたりと何かと気にかけていただいており、本当にありがたいことです。

このように皆さんが手掛けて下さっている公園に私達ができることと言ったら、この公園に足を運びたくさんあそぶこと、風の子ならではの自然をたっぷり堪能してくること。たくさんの草花や木々に目を向け、生き物との出会いを楽しみ、自然の中で得られる不思議さや発見、感動を存分に味わうことではないかと思っています。野鳥の声に気づく、葉色の変化や四季の変化に気づく、草の上を転がるなどたくさんの心豊かになる体験をこの森で子ども達ができれば、それがサポーターズの皆さんへの恩返しになるのではないかとも考えます。そして出かけて行った時に、もし落ちているゴミなどがあれば拾って帰ってくる…このくらいなら子ども達だって十分できます。そのような関わりをこれからもしていけたらいいなと思っています。

 

さて、話は少し飛んで10年前の11月。

風の子公園から拾ってきたどんぐりを黒ポットに埋めて30㎝くらいまで大きく育てた後、サポーターズの皆さんにお手伝いをいただいて風の子公園に植え替えをしました。たった1㎝くらいの大きさのどんぐりからでもちゃんと芽が出るんです!それだけでもビックリですが、なんとそれが風の子に植えてから10年たった今ではこんな成長を遂げています!

手前の2本の木が小さな小さなどんぐりを黒ポットで育てた10年もののどんぐりの木です。4年くらい前に4,13mまでは測れたのですが、その後はもう高さを測ることが難しい大きさにまで成長。今日このどんぐりの木と背比べをしてきました。ざっくりの高さを想像してみると、おそらく8~9mは間違いなくあるだろうと思います。あんな1㎝程度の誰もが手にしたことのあるようなどんぐりを植えてこんな立派な木になるなんて、やってみるまでは想像もつきませんでした。20苗植えたうち、頑丈に育ち、すくすく成長しているものは、全部で8本とみています。

この黒ポットで育ったどんぐりの苗を風の子に地植えできないか相談に乗って下さったのも、植え替えるならどのあたりがいいかアドバイスを下さったのも、そして植樹のお手伝いをして下さったのも、やはりサポーターズさんでした。

そんなわけで、サポーターズさんにはいろいろとお世話になっています。

 

そして先日、サポーターズクラブでめるへんのご近所のSさんからご自身が描かれたという絵をいただきました。このSさん、お仕事を退職されてから絵を始められたようで、それまでは全く絵には携わったことがなかったとのこと。お誘いを受けてご自宅にあそびに行ったことがありますが、今では様々な絵画展などにも出展されているようで、ご自宅の一角は素敵なアトリエになっています。そのSさんから、描きためた絵画の中からどれかお好きなのをよかったら…とお声をかけていただいたのです。観察画や人物画、想像画や風景画など様々な絵をお描きになっておられますが、その中でも長命館公園の絵が何種類かあり、お譲り頂けるのなら私は是非、風の子の風景画を…と思っていました。そしてお譲り頂いた絵が『夏の長命館公園』の絵です。

光の入り方や緑が美しく、夏の森にいる生き物も何匹か絵の中でかくれんぼしています♡

実物はめるへんの正面玄関をくぐると目の前に広がっています。機会がありましたら、どうぞ実物をみにいらして下さい。私の大好きな風の子公園の風景です。

 

 

園長    伊勢 千春

 

 

 

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