園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年09月14日

明日の運動会に向けて、先日、総練習を行ないました。

雨上りの園庭で、朝から技能主事さんを中心に水とり作業を行なったものの、土は湿った状態。それでも子ども達は元気いっぱい裸足でかけっこや遊戯などを行なっていました。

かけっこからスタートしましたが、一年ぶりに聞く子ども達の土を蹴り上げて走る音が耳に響いてきました。私はこの音が大好きです。裸足で土を力強く蹴り上げる音は、ひとりひとりが頑張っている音だと思っています。地面にしっかり足をつけ、踏んばり、前に進もうとする子ども達の成長ぶりを示すような音。そんな気がしてなりません。年少さんは園庭の真ん中の直線距離を走るので、本部席にいる私のところに走る音は聞こえてきませんし、年齢的にも地面を蹴り上げるような力強い走りは来年、再来年までのお楽しみ♡といったところだと思います。ですが、年中、年長と年齢が上がるにつれ、子ども達が第三コーナー辺りにさしかかると、どんどんその音が力強くハッキリと聞こえてきます。BGMが場を盛り上げるようにかかっていても、この音だけは切り取られたように私の耳に届いてきます。

裸足で地面を蹴り上げる音で子ども達の成長を感じられるなんて、とても贅沢を味わっているなーとしみじみ思ってしまいます。ですから私は運動会になるといつもこの音をかみしめています。そして当日はここにたくさんの歓声や拍手が加わります。

拍手と言えば・・・。

昔若い頃に、初代園長の富田先生から

『拍手は強制するものではない。だから「たくさんの拍手をお願いします。」だの「もう一度拍手を」などという押し付け拍手の促しはするな』

と言われたことがありました。大変印象に残っており、今でも鮮明に覚えています。

歌や音楽を聴いて、あるいは講演会などで誰かの話を聴いて、そして舞台を観て…。何かに感動した時、心打たれた時に拍手とは自然に生まれるものです。実際、そんな場面に出くわした時は催促されなくても自然に拍手が出ています。もちろん、素晴らしいものを与えてもらった時には感謝の意味も込めて「最後にもう一度、たくさんの拍手を~」と促されれば、私も必ず大きな拍手を精一杯送ります。拍手は感謝の言葉を伝える代わりの役目もすると思っていますから。しかし富田先生の言う本来の拍手とは、心に響けば自然に起こるものというとらえが大前提ということなのでしょう。

例えば、私もクラスを持っていた時は誕生会などで「○月生まれさん、お誕生日おめでとう~」というと、子ども達も自然に「おめでと~」と言って拍手が生まれました。お友だちにおめでとうを伝える時、すごいねを伝える時、拍手や言葉は強制しなくても自然に相手に送ることができるようなそんな心育てをしていきたい…と思ったものです。

明日は、そんな自然に湧き上がる拍手や歓声が起こるような運動会にしたいです。

子ども達にも友だちへ対して自然に拍手が送れるような気持ちを育てていきたいです。それは感動する心だったり、相手を受け入れ認める心だったりする心の育ちの表れのような気がします。

運動会には、子ども達の表情や一生懸命頑張る姿、楽しんでいる姿に加え、走る音、元気なかけ声、いらして下さった方々の歓声や拍手、いろいろな『音』も楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

 

 

園長    伊勢 千春

 

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