園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年06月01日

先週金曜日、無事お天気にも恵まれ…というよりは30度近いかなり暑い中ではありましたが、歩き遠足を終えることができました。

初めて風の子公園に足を踏み入れた方からは、「こんな場所があったんですねー」という驚きの声や「公園というよりは、森ですね!こんなにアップダウンがある山道だったなんて、油断してましたー」などという声が聞こえてきました。

そうなんです。奥まで散策すれば分かりますが、公園というよりは『森』。なだらかな道も若干ありますが、山道なので基本緩やかでも傾斜があり、階段の段差もけっこうあるのでハードな部分も。しかし、この森にめるへんの子ども達はしょっちゅう出かけ、あちこちを駆け回っています。ですから自然に体幹も鍛えられ、足腰が強くなって体力もついていくのだと思います。前回は五感が豊かになる場所だという内容を載せましたが、それだけではなく、こうして子ども達の体があそびながらおおいに鍛えられ、体力も自然についていくような環境なのです。一般的に現代っ子は外で遊ぶ機会が少なくなっているとか、体力がないだとか、歩く機会が減っているだとかいろいろ言われています。確かに物が豊富になりゲームやスマートフォンなどの著しい普及によって、それらが子ども達の生活にまで浸透してきているわけです。ですから外あそびや身体を使ってのあそびよりも、こどもたちにとって魅力的に映るものが身の周りにあるのかもしれませんね。

だったらせめて幼稚園では大いに野山を駆け回り、大いに土に戯れさせる…。森の中に入り、感性を研ぎ澄ませ、体幹も鍛えられたらこんなにいいことはありませんよね。家庭ではなかなか体験できないからこそ、風の子公園という環境を存分に子ども達の生活に活かしていく、これがめるへんのモットーになっています。

この歩き遠足には、自然に触れること以外に、『最後まで頑張って歩く』という目標も掲げていました。ですから疲れて抱っこをせがんできても、おうちの方にはなるべく自分の足で最後まで歩けるよう励ましながら子どもに寄り添ってもらいたい、そして自分の荷物は自分で持つなど自立に向かうためのいい機会になればいいなーと考えておりました。今年は暑かったので、子ども達も園に帰ってきた時は、だいぶ疲れていたのではないかと思います。それでも、年少さんで抱っこして帰ってきた子がほとんどおらず、感心しました。

たくさん歩いた!抱っこしないで最後まで歩けた!疲れたけど頑張った!というひとつひとつの自信の積み重ねこそ、次へのやる気や意欲につながっていくはずです。そんな小さな自信を子ども達には日々少しずつ積み上げていけるような、そんな森の活用を今後もしていきたいと思っています。

保護者の皆さまも暑い中お疲れ様でした。

筋肉痛になった、当日の夜は爆睡だった、というような話を後日聞きました。心地よい疲れはいい睡眠につながります。子ども達も、たくさんあそび、おなかをすかせよく食べて、ぐっすり眠る…。せめて小さな頃くらい、そんな生活をさせてあげられたらなーと歩き遠足を終えてみて改めて感じました。

私達の考える今回の遠足は、ただ、楽しいだけではなく、自然に触れる、最後まで頑張って歩く、そのような目的で計画を立て、子ども達の心と身体の健やかな育ちにつながる活動でありたいという願いのもとでの行事でした。そのような意味では、保護者の皆様のご協力とご理解のもと、ねらいも達成されたと思っております。

ありがとうございました。

 園長  伊勢 千春

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