園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年12月18日

二学期も残すところ、明日の合唱会、そして明後日の終業式のみとなりました。子ども達にとってこれからの時期はクリスマス、お正月と楽しい行事が続きますね。

お正月を迎えるにあたって年長組では育てていた稲を使い、しめ縄や門松作りを行なっていたようでお正月の準備が幼稚園内でも行なわれておりました。

お正月を迎える準備といえば、年末の大掃除。

普段なかなかできない冷蔵庫の中や換気扇、窓拭きやサッシの掃除、綺麗にしたいところをあげたらキリがないのが我が家の現状です(笑)。ですが、せっかく新しい年を迎える機会ですから、掃除もただの作業で終わらせてしまわずに是非子ども達にもお正月を迎える意味や年末大掃除の意味を伝えながら大掃除にも参加させてお手伝いをする機会を作りたいものです。年齢も低く、できることは限られていますから、子どもがいない方が大掃除がはかどるというのが大人側の本音かもしれません。そこは大目に見てあげて、是非一緒に取り組んでみてください。

年長さんはお泊り保育の時に雑巾の絞り方もマスターしましたし、マイ雑巾を使って幼稚園の床や靴箱をピカピカにしてくれました。窓のサッシも上手に拭いてくれていました。年中年少さんも年齢が小さくてもやれるお手伝いはたくさんあるはずです。ままごと道具やブロックなどのおもちゃの拭き掃除や絵本箱の整頓、オモチャをそれぞれの箱やケースに仕分けしたり整理したり。幼稚園での掃除のときはこんなことをやってくれています。

我が家も娘が小さい頃は最後に大人の仕上げが必要でしたが、要は何のための掃除かといえば、綺麗にするため…だけではなく、心育てのひとつと捉えお手伝いをしてもらっていました。「家族の一員として、自分もみんなの役に立てた」という気持ちも育てていきたいですし、「お手伝いしてもらって、とっても助かったよ。ありがとう」という大人側の想いも子どもには伝えていきながら子ども自身のやる気も育めたらいいなーという思いです。

お手伝いの他に、家族の一員としての『仕事』も小さいうちから身に着けていきたいことのひとつです。『仕事』はあくまで『仕事』ですから、年齢が小さくても責任を持って行なってもらいたいと思っています。例えばポストから新聞をとってくる、カーテンをあける、食事の時にテーブルを拭く、お茶わん運びをするなど、なにか小さなことひとつでいいので自分の仕事として子どもにも役割を与えて取り組んでいける習慣をつけていけると良いのではないかと思います。

幼稚園でもその日のお当番さんが連絡帳を配ったり、給食を配ったりしていますが、それは当番としての仕事です。しかし、先生から頼まれて職員室に伝言を伝えに来たり、物をとってきてくれたりすることは先生のお手伝い。まだまだ子ども…と思っていても、けっこう幼稚園ではしっかりやれていることも多々ありますし、褒めると本当に喜んで先生のお手伝いをしてくれています。

小さいうちが勝負です!それは我が家でも実証済みです。

娘が小学校就学前は食事の茶わん運びが仕事でした。小学校低学年で洗濯物たたみが加わり、中学年でトイレ掃除、高学年で自分の部屋の掃除とアイロンがけがプラスになり、これらは昨年受験の年も、高校生になった今でもやっています。今は部活も終えて帰ってくると20時過ぎの帰宅になりますが、自分でいかに時間を作って『家族の一員としての仕事』をこなすか、本人なりに計画を立てて行なっているようです。洗濯物をたたむ以外は土日の空いた時間にまとめて…というのが定着しているようですが、幼いころからずっとやってきていますので、本心はどうかはわかりませんが、文句も言わずスムーズにこなしてくれています。

笑い話になりますが、娘が中学の時担任の先生との会話で、家での仕事が話題になり、自分の仕事分担の話をした後、先生から「じゃあ、とうちゃんは?」と聞かれ、「ゴミ捨て、掃除、お風呂洗い、仕事が休みの時の夕飯作り」と答えたよう。そのあと、「じゃあ、かあちゃんは?」と聞かれて、「朝晩のごはん作りと、茶わん洗い、洗濯干し」と答えたら、先生に「えっ?!かあちゃんそれだけ?!」と言われて笑われたーと言っていました…。受験生でもあり、クリスマスプレゼントに立ったまま簡単にできるスチームアイロンが欲しいと通販番組をみて食いついていた娘を見て、さすがに娘の仕事量を減らした方がいいかと考えましたが、一度やめてしまうとなかなか元に戻るのは難しいし、上手く時間を使いこなすというのも、立派な人生経験、という私達夫婦の考えでこのままいくことにしました。しかし塾や部活、大会などで娘の帰りが遅い時や疲れがたまっていそうな時は、洗濯たたみなど私がひっそりフォローしています。しかし娘にとっては自分の仕事という概念があるので、「私やるのにー。ママありがとね~。」と私が感謝されています…。疲れている時はお互い様、仕事の分担になってはいても、出来る人ができることをしてお互い助け合えばいいんだよということを娘にも伝え、私も実践しながら学んでいます。そして、仕事だからやってもらって当たり前と決して流してしまわずに、必ず「アイロンがけ、ありがとね」「トイレ気持ちよく使えたよ」とやってもらった後はひとことお礼を言うのを忘れないようにする!というのを私の鉄則にしています。娘にだけでなく旦那さんにもそれを鉄則にできたらいいのですが、こちらはうっかりお礼を言い忘れてしまう…ということもたびたびです。(常に反省)

家族の一員として役割や仕事を家族全員が持つ、そして大変そうなところは手を貸しながら助け合って協力していく。小さいころから家族の一員としてみんなの役に立っているという認識は必要なことだと思います。そこから意欲的に取り組む姿勢や、人の役に立ちたい、困っていたら力を貸したいというような周りの状況を読み取る力も育まれていくことを願って。

是非、この年末を機に子どもの仕事やお手伝い、見直してみませんか?

 

 

園長    伊勢 千春

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