園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年11月14日

先日ご近所の方からいただいた椿の実を使って年長さんを中心に興味を持った年中さん達も一緒に自由あそびの時間に笛作りを行なっていました。

まずは実をやすりやコンクリートでゴリゴリと、擦れて少し穴があくくらいまで削っていましたが、これがなかなか難しい。何度も「まだ?」「先生もっと?」と年中さんからは聞かれましたが、年長さんはさすが!みんな必死で集中して削っていました。

実の底の部分が削られて薄くなってくると穴が開き、そこからは今度は爪楊枝などを使って中味の黄色い部分の取り出し作業。爪楊枝の先っぽにくっついてくる黄色いカスをみて、「おいもみたい」「くりみたい」「耳かすみたい」といろいろな声が出ていて面白い!みんな必死です。

中身がキレイにとれた子は早速吹いてみていました。穴の部分に口から吹き込む空気の入れ方や角度など、微妙な違いで音が鳴ったり鳴らなかったり。それはやはり本人が実際吹いてみないと分からない分野であり、コツがつかめればとっても大きないい音がでていました。

一緒に笛作りをしていたS先生が風の子公園に園外保育に行って子ども達を集めたい時に、ホイッスルを使わず自分で作った椿の実の笛を試しに吹いてみたら、子ども達がちゃんと自分の周りに集まってきたとのこと♡その風景を想像したら、もうたまらなくかわいらしい光景が頭の中に浮かんできました。市販のホイッスルは号令的な役割を果たしますが、木の実の笛で集まってきたなんて、森に住んでいるリスや小さな動物のものがたりのワンシーンみたい♡と勝手な想像をして楽しんでいました。

出来上がった子の笛の音を聞いて、自分も頑張って音がなる笛を作りたい!とかなり粘って、削ったりほじくり出したりしていた様子。この集中力や粘り強さ、すばらしいですね。

そして自分の笛から音がなった時の嬉しさは相当だろうな…と子ども達の様子をみていて思いました。そばにいた私でさえ、「すごい!!!今鳴ったね!!!ほら~頑張ってたからだよ~!!!」と子どもよりも興奮していたかも…思うくらいでしたから…(笑)。

見た目は華やかで立派なおもちゃではないですが、子ども達にとってはどこのお店でも売られていない特別な最高の一品。たった一個の自然の木の実が子ども達にとってそんな存在になるなんてとっても素敵だと思いませんか?今日の私はそんな感動をかみしめていました。

 

そんなことをしながらふとあたりをみると、今日は雪虫があちこちに飛んでいました。

ほら。

私の薬指にもあそびにきてくれましたよ。

  園長   伊勢 千春

 

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