園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年10月06日

10月に入り、すっかり朝晩は涼しくなり秋の深まりを実感しています。一昨日は中秋の名月、十五夜でしたが、夜空を見上げると雲が多く月明かりが雲の隙間から見え隠れしていて、なかなかお月様を見ることができず残念に思っていました。しかし昨夜は本当にまんまるで黄色くておっきな満月を見ることができました。雲がなくクッキリと空に浮かび上がるお月様を見て、まるで絵を見ているかのようなそんな錯覚に陥るようでした。

さて、今日はロバの音楽座の皆さんにお越しいただいて古楽器を用いた演奏や歌でとても居心地のいい素敵な時間を過ごさせていただきました。珍しい楽器やその音色に子ども達も引き込まれたり歓声を上げたり。耳を澄ませる、風の音を聴く、音楽を聴きながら冒険する…そんな言葉が音楽座の方の居心地良い声で語りかけられました。まるで頭の中に風景が浮かんでくるような音楽でした。

こうして秋に入ってからずいぶんと五感が刺激されています。

目で見て感じる、耳で聴いて感じる、きんもくせいの香りで秋の訪れを感じる…。五感を働かせながら季節の移り変わりや周りの事象に興味を持ったり感じとったりできるような豊かな感性が子ども達にも少しずつ育まれていったらいいなーと思っています。

 

さて、運動会も過ぎ、最近の子ども達の様子をみていると、集団あそびがずいぶん増えています。

年少、年中さんでは鬼ごっこや転がしドッジボールのような簡単なルールのあるあそびがあちこちで繰り広げられ、一学期に比べて大人数であそべているようです。

年長さんはリレーがひと段落したと思っていたら、自由あそびの時間に今度はドッジボールが盛んです。ずいぶんルールも把握してきたようですが、「ボールが当たったのに外野に行っていない」だとか「○○ちゃんばっかりボール投げてずるい」だとか「今指にちょっとだけあたっただけだからこれはセーフだよ!」だとか…(笑)。途中で混ざってきた子達が同じチームに入ってしまい人数調整をしていないので片方のチームだけが人数が増えるなど、まだまだ前途多難(笑)。ですが私はひっそりニヤニヤしながら子ども達の様子をみています。今はこのような駆け出しのドッジボールですがそのうち本来のドッジボールの楽しさを味わえる子ども達になるだろうと思い、今しか味わえないこのすったもんだしているドッジボールをみることを楽しむことにしています。

ふとみると、年長のHちゃんの姿が目に入りました。先生が誰も入っていない男の子ばかりの中に入ってドッジボールを楽しんでいる様子。Hちゃんは年少の頃は車で送られてくるとお部屋まで行くのに何分?何十分?もかかるくらいゆっくりペースだった女の子。しかし運動会前には積極的に自由あそびの時間にリレーにまざり、何度も何度も走っている姿を見かけました。年長にあがるまで想像もできなかったその姿に、たくましくなったなーと嬉しさでいっぱいになりました。気づけば、夏休み前には泣いてバスから降りてきてなかなか大人が一緒でないと不安定だったCちゃんも、こんなに表情が豊かな子だったんだなーと思うくらい、たくさんのお友だちや先生と毎日のように鬼ごっこをしたり、飛び回ったりしている姿を見かけます。そう考えると、朝の登園の時、おはようのタッチをなかなか交わせなかった子も数名いて、早くタッチができたらいいなーとこっそり思ってましたが、今ではみんなとおはようのタッチができています。

みんなかわいい。みんな頑張ってる。みんな成長している。

一歩下がって子ども達をみていると、そんなところがたくさん見えてきます。

私自身、我が子が小さい頃は一歩下がって子どもを見る余裕が持てていたかな…そんなことをふと思い返していました。

季節は秋。

しっとりしてくる秋の深まりと共に子どもを取り巻く私達周りの大人も一歩下がって子どもを見つめてみる…そんな時間もあったらいいのかもしれませんね。

 

 

園長   伊勢 千春

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