園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年10月17日

毎週月曜日の私の仕事は、先生達が書くクラスだよりを確認することから始まります。

クラスだよりは私が担任していた頃からありますが、現在これだけパソコンが普及しているにも関わらずクラス担任の手書きで発行しています。どんなペースで出さなければならないという決まりは設けておらず、担任次第というところはありますが、だいたい週一回ペースで、どのクラスも発行しているようです。

私は担任時代、クラスだよりを書くのが密かに楽しみでした。もちろん時間はかかりますし、土日のどちらかが潰れてしまうということもありました。しかし、クラスでの出来事やちょっとしたおもしろ珍事件、子ども達のあそびの様子やどんなところが成長してきているかなど、担任だけのものにしておくのはもったいない!という出来事が毎日まき起こります。だからこそ、日々の何気ない出来事をおうちのみなさんと共有し、子どもが育っていく過程の面白さや驚き、感動を一緒に味わい、共感しながら子ども達の育ちに目を向けていきたいと思っていました。

子ども達も様々ですから、幼稚園であった出来事を事細かに家に帰ってからお話しする子もいれば、ほとんど幼稚園での出来事を家では話さない…そんな子もいると思います。お母さんが聞きだそうとしても「わかんない」「忘れた」などつれない返事が返ってくることもあるのではないでしょうか。言葉の獲得や言葉での表現の仕方も含め、個性も違えば発達の仕方もひとりひとり違いますからこればっかりはしょうがないところがあるのかも…。

だからなおさらクラスだよりが大きな役割を担うものになるのではないかと思っていました。

たった一枚のおたよりですが、どんなふうに表現すればよりクラスの様子が伝わるか、手にとって読んでいただけるか、どの出来事をトップニュースにもってくればよいかなど、自分なりのこだわりを持ちながら作成していました。新聞的要素があると思っていますので、記事が新鮮でなければならないこと、大事なこともお伝えしつつ、ほっこりするような内容もお伝えしたい、クラスの雰囲気や子ども達の様子はなかなか保護者の方が見ることができない部分なので、そのクラスの情景が目に浮かぶような表し方をしたいなど、たくさんの想いがありました。例えば類似する言葉がいくつかあるとしたら、この時のクラスの様子を表すにはどの言葉を使うと一番ベストかな…など吟味したり。

今の担任達もきっとそんな想いでクラスだよりに向きあっているのではないかな…と思っています。

「どうしよう~ペンが止まらない~」というくらい書きたい内容が溢れてくる時もあれば(笑)、時にペンがなかなか進まないということもありました。一週間もあればたくさんの伝えたいことができるはずです。ですが、クラスだよりで書く内容がなかなか見つからないということは、それだけ子ども達にしっかり目が向いていなかったということだと自分を振り返り、反省し、またしっかり子ども達に向き合おうと自分自身を改めていました。子どもの何気ないつぶやきに耳を傾ける、どんな表情で子どもがあそび、活動していたか、あそびの中でどんな学びをし、どんな成長をしているか、そんな部分を先生が子ども達と一緒に楽しみながらみていくことも大事ですし一歩離れたところから子ども達をみることも大事。子どもの立場から、一緒にあそんでみた立場から、そして客観的に見つめた立場から…いろいろな角度から子ども達をみていくと、クラスだよりを書く際も様々な切り口からの伝え方になるので、表現の幅も広がるのではないかと思います。

私自身、絵やイラストが大変不得意で、苦手意識があり、クラスだよりに使うイラストはカット集を頼りにしていましたが、今先生達のおたよりの原本のチェックをすると、手書きイラストが大変多く、レイアウトや記事の内容のバランスなども、それぞれ工夫しているのが分かり、皆の頑張りが伝わってきます。

だからこそ私もしっかり目を通して、先生達がどんな想いで活動を行なっているのか、学級運営を行なっているのか、そして各クラスの様子がどんなふうだったか想像しながらおたよりに目を通しています。

文章力、表現力ももちろん大事になりますが、担任がどこに視点をおくか、着目するかでおたよりの内容も変わってきます。まだ一、二年目の先生は純粋に子ども達の成長を肌で感じ、嬉しかったことなどがそのまま綴られていて、そんな文章を読んだときは私まで嬉しくなってしまします。また、経験年数の豊富な先生は着目した視点から何を大事に保育をしているか等が文章として表現されていて、なるほどそんなところにも目を向けながら保育しているんだなーと思うことも。どちらにしても、担任が感じた自分のクラスへの想いですから、経験年数が少ないからこそ感じる純粋な想いはその時しか表せない表現ですし、やがて年数が少しずつ増えていけばまた新たな見方でクラスだよりにも向き合えるようになるのだと思います。

たった一枚のおたよりですが、この一枚にのせた担任の伝えたい想いをくみ取っていきたいなーと思う、月曜の朝です☆

園長   伊勢 千春

 

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