園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年07月18日

7月のはじめに政令指定都市私立幼稚園団体協議会の仙台大会が行なわれました。北は札幌、南は熊本と全国19の政令都市から園長や行政関係者が仙台に集結。それぞれの都市から行政報告があったり、分科会毎にテーマを設けそのテーマで話し合いがもたれたりしました。私も昨年に引き続き、今年も仙台市の私立幼稚園連合会の役員で、この会がたまたま今年仙台開催だったこともあり、昨年から会議会議で大忙しでした。

今大会での基調講演を東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授に依頼し、当日は『乳幼児の脳発達の特性について』という演題で、ご講演をいただきました。

その基調講演の中で印象に残った点をいくつかご紹介。

というのも、いよいよ今週末から夏休みに入りますが、長い休みに入ると子ども達の昼ご飯をど~しよう…、毎日家に子どもがいて何しよう~…と、いろいろ母の悩みはつきないのではないでしょうか。私も子どもが小さい頃は、そんな悩みを少なからず持っていたものです。親子で触れ合う時間が普段よりも多くなる夏休みだからこそ、こんなところに気をつけて過ごせるといいのではーというヒントをいただいてきました。

 

☆ 朝ごはんは、きちんとお米とおかず ☆

これはまだまだ子ども達にとっては先の話…ですが、朝食と年収の関係を調べたデータによると、幼児期からずっと朝食にしっかりお米とおかずをとり続けていた人が将来高収入に結びついているという結果が出ているそうです。ただ食べればいいのではなく、おかずも合わせてとることが大事とのことでした。しかし私は、「でも…朝は大忙しでなかなかおかずといっても…」と最初は尻込みしていました。ですが「朝食は朝作らなければならないものだと思い込んでいる方いらっしゃいませんか」の先生のひとことにハッとしました。私です…(笑)。夜のおかずを少し大目に作る。そして朝にもそのおかずを食卓に。それだけでOKです…と。朝食のおかずは朝に作るという誰が決めたわけでもない変な固定概念が崩れ、これなら私もやれそう!と思いました。早速昨日はレンコンと豚肉、コンニャクのきんぴらを作りましたが、いつもはコンニャク一袋のところを今回は二袋にしてコンニャクでかさ増し(笑)。ただそれだけの増量で朝食分を確保しました(笑)。でもよく考えたら、幼児期からずっと…の人が将来の収入に結びついているわけですから今さらやってもうちは…と思いましたが、良いということで自分に出来ることならとりあえず今からでもやってみるか~と自分自身を納得させ、実践開始!

 

☆ 睡眠大事!8時~9時には寝かせてほしい ☆

睡眠が大事なのはもちろん誰もが知っていること。でもなかなかいろいろな理由が並んでしまい子どもを遅くまで起こしてしまっているというご家庭、あるのではないでしょうか。夜更かしをしていると疲れやすく学力低下にもつながるということ。子どもを10時頃まで起こしておくのは脳が発達しなくなるので虐待に等しいといっても過言ではない、という言葉が印象的でした。そのくらい幼児期は睡眠が大事ということなのですね。どうしても夏休みは不規則な生活になりがちですが、ぜひ、早めの就寝を心がけていただけたらと思います。

 

☆ 食事の手伝い経験をさせましょう ☆

家族とのコミュニケーションと脳の関係性を調べた実験で、ホットケーキを親子で週1回作って一緒に食べるという実践を継続して行なったそう。ルールはただひとつ。失敗しても怒ったり責めたりしないこと。もし牛乳を半分こぼしてしまったとしても叱らずに、半分ボールに注げたことをほめる。失敗を責めずにできた部分をほめる。そのルールだけをしっかり守ってもらいデータをとっていった結果、最終的に大人になった時の幸福感につながったということが分かっているそうです。家族でのコミュニケーションは学習意欲にも直結していることが4万人のデータでもわかっているそうで、ここが破たんすると子どもの伸びる力は育たないそう。子どもの緊急避難基地に親がなるべきで、この緊急避難基地がないと子どもが不安定になるというお話でした。だから親子の会話だったり触れ合いだったりはとても大事で、特に子どもにとってはあまりなじみのない人とではなく、身近な人との関わりで、脳の、特に前頭葉の部分がかなり活性化するそうです。前頭前野は人間ならば特に大事な部分であるそう。

 

☆ スマートフォンの使い方を改めよう ☆

子どもを静かにさせる手段にスマホで…というご家庭、きっとあると思います。スマホを使っている時や見ている時は脳を使っていると思いきや!それは大間違いということでした。実はその逆で使用中、脳は停止し眠っている状態なのだそうです。その影響もあり、最近は表情がなく非常にクールなサイレントベビーやスマホで作られた子ども達が増えてきているとのお話を聞きました。使い方を少し改めないといけないかもしれませんね。

 

どうですか?夏休みにできそうなものはありましたか?

もちろんデータだけが全てではありませんが、ただ何となく…とかおそらくこの方がいいだろう…というぼんやりしたことではなく、データに基づいていると信憑性も高まり具体的効果がありそうです。

今回、このお話を聞き、私自身もなるほど!と思ったり自分も大事だと感じていたりする部分がマッチしたので載せてみました。どんな考え方があるのか、どんな捉え方があるのか、人によって様々ですから、いろいろな人の話を聞きながら自分のものにできるものはしていきたいなーと思っています。

もちろん完璧にやろうと思わず、あまり肩に力を入れずに、まあ、やれそうなことからぼちぼちやってみようかなー程度でもいいのではないかと思います。だって、ママだって大変なんですから☆

この夏、できそうなところから少ーしだけ意識して子どもと過ごしてみませんか?

 

 

園長    伊勢 千春

 

 

 

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