園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年03月16日

3月16日

いよいよ年長80名の卒園の日になりました。

今年の年長さんは覚えが早く、歌も上手で、くじけずいろいろなことにチャレンジするたくましさも持っていました。でもどこかちょっぴり甘えん坊♡そんなところに子どもらしさも感じていて、なんともかわいい子ども達でした。

今年私も年長さんを見習って挑戦したことがありました。年長児に渡す卒園証書のひとりひとりの名前を書くことでした。いつか年長さんの証書に名前を書いてあげたいと思ってはいたものの、証書はとても重みのある大事なもの、証書や賞状に書いてある名前はどれも習字の先生が書くような立派な字、という印象がありました。現にここしばらくの当園の証書の名入れは習字の先生に依頼をしていました。少し余裕が出来たら書道教室に通って、自分の字に自信が持てるようになってからと先延ばしにしており、でもそんな日は来るのだろうか…と少しモヤモヤした気持ちでいました。ところが年長主任から「千春先生に書いてほしい」とおされ、いろいろ考え「よし!やってみよう!」と決めたのです。

そして、名前や生年月日を書き始めたら、今年の年長さんが平成22年と23年生まれということに気付きました。23年といえば東日本大震災があった年で、この時年長さんはまだ生まれたばかりの赤ちゃん。ハイハイができるようになっている子もいれば地震の少し前に生まれた子、地震後すぐに生まれた子と様々でした。だからお母さんをはじめ、おうちの人達はきっと子どもたちを守ることに必死だったと思います。おうちの人が必死で守った命、そのみんなが春からはランドセルを背負い、小学校の門をくぐることを想像したら、年長さんのことがますます愛おしくなりました。みんなはこうしてたくさんの人たちに守られ、支えられて大きくなっている。一人で大きくなっているのではない。それはこれからも変わらない…そのことを年長さんには忘れないでほしいと願います。

そんな思いをはせながら一筆一筆書くうちに、「失敗したらまた書き直せばいいんだ。できるようになるまで何回だって書けばいいんだ。」と実感しました。いつも幼稚園の子ども達にもそんなことは伝えていましたが、自分が本当にそのことを実感できた瞬間でした。そして「もう一年生かー」「○○ちゃんはこんなこと頑張ってたなー」「○○君はいつもこんなことしてあそんでいたなー」などひとりひとりの顔を思い浮かべたり、おうちの人の気持ちを考えたりしていたら、出来上がりの形だけではなく、こうして人が人を思う気持ちを持つことの方が大事なのではないかと思いました。これは挑戦してみたからこそ気づいたことでした。

だからめるへんっこには小学校に行っても、最初からできない…と諦めず、いろいろなことに挑戦してほしいと思います。失敗したって最初はできなくたって形がみんなと違っていたっていいんです。何回も挑戦していくうちに分かること、気づくこと、そしてやり遂げた満足感がきっと生まれるはずです。その背中を家族がおしてあげ、これからもかわらず見守っていってほしいと思います。

もちろんめるへんっこは何歳になってもめるへんっこ。だからこれからもずっと応援しています。

 

 

そして、卒園される保護者の皆様。

至らない点もたくさんあったと思います。しかしいつも温かい目で受け止めて下さり、時には私達が助けていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。これからもいつでもあそびにいらして下さい。両手を広げて待っています。

 

園長     伊勢 千春

 

PS:完成した修了証書の子ども達の名前は、想いをこめすぎてしまったのか、勇ましく元気よく、どこかへ羽ばたいていってしまいそうなくらい大きな字に仕上がってしまいました(笑)。年長の保護者の皆様、どうかご了承下さい。

 

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