園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2017年02月03日

昨日夕方から雪がだいぶ降っていたので、今日は雪あそびができるなーとワクワクしながら出勤。

園庭に出てみると、コナラの木がまるで雪の花をつけているかのよう。

梅のつぼみも赤く膨らみ始めていたものの、この寒さでキュッと身を縮ませているような、見ていてそんな気がした朝でした。

 

さて、今日は『節分』。

朝からハラハラドキドキしていた子達も多かったのではないでしょうか。

今年は3匹の鬼が登場。

未就園児のクラス、年少~年長と鬼の怖さレベルが違い、お面や演技(?)も子ども達の年齢に合わせ調整してくれた何とも気配りの出来る鬼達でした(笑)。

自分の心の中にいる出て行ってほしい鬼を追い出そう…ということで、子ども達も皆必死でした。

節分の時期になると、毎年思い出すことがあります。

昔、初代園長が言っていたこと。

昔からの伝統やその土地の風習によって小さい子どもにとっては怖い、例えば秋田のなまはげや獅子舞…それらは意味のあるもの。怖いからといって遠ざけてはいけないものだと。

昔話もそうです。『したきりすずめ』は、理不尽なことを雀にした欲深で意地悪なおばあさんが、最後に大きなつづらから出てきた蛇や化け物たちに懲らしめられる。『さるかに合戦』ではサルがお話の最後に悲惨な目にあってバチが当たる…というもの。昔話では無慈悲な行いや欲張りをするものではない…そのような行いをしていると最後には自分も痛い目にあうという、そのような内容が少なくありません。例えば『かちかちやま』など本来言い伝えられてきたものは時に残酷な内容を含んでいるものもあります。時代の流れと共に子ども達が見るものだから子ども達にふさわしいソフトな話にするためという理由で削除された部分がある絵本もみられるようです。また、最近の絵本では最後にバチはあたるが仲直りしてめでたしめでたしと書き換えられている昔話も目にします。悪いことをしたら簡単には許してもらえない、恐ろしい目にあうこともあるんだということをお話の中から学ぶ。昔話には子ども達にそんな物事の善悪を伝える役割が昔からあったのだと初代園長は言っておりました。だから昔話を美化して書き換え、「謝ったからはい仲直り」と物事を軽くするような書き換えはよろしくないと、初代園長はそれらのことに異を唱えていました。

その話を聞いた時、なるほどなーと感じました。子ども達に伝えていかねばならないものの中には、昔話を通して時に子どもの心がビクッとするような内容があるかもしれません。しかしそこから何を子ども達に感じてほしいのか、その部分が一番大事な部分ではないかと思います。

当園の節分も子ども達の年齢によって鬼の迫力は変えていますが、この話が節分を迎えるたびに思い起こされます。そして、また日本五大昔話にふれたくなるのです。よろしかったら皆さんも是非、この機会にお子さんと一緒に日本五大昔話にふれてみませんか。

※日本五大昔話(桃太郎・かちかち山・さるかに合戦・したきりすずめ・花咲爺)

 

さて、昨日降った雪でできた【雪だるま鬼】が今日一日、めるへんの玄関でみんなのことを見守ってくれていました。

みんなの心の中の鬼を払い、福を呼んでくれたのではないでしょうか♪

 園長    伊勢 千春

 

 

 

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