園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2016年11月11日

秋もだいぶ深まり、もう冬がそこまでやってきている… そんな寒さを感じる季節になりました。

10月初めに近隣の中学校に熊が出たとの目撃情報があったため、せっかく気候のいい季節に残念でしたが、念のためしばらくの間風の子公園への散策を控えていました。区役所に問い合わせをしたり、近隣のいろいろな機関から情報を集めたりし、先週から隣の公園への散策を久しぶりに再開しました。

私もこの日は風の子の様子も知りたかったので、子ども達について一緒に出かけてきました。久しぶりの自然との戯れだったので、子ども達のテンションもかなりアップ!みんなワクワクしているのが表情から読み取れました。でも、ちゃーんと道路の渡り方や園外保育での約束事は覚えていましたよ。

紅葉も一気に進んできたようです。

黄色やオレンジの葉が多く、まだ紅色に染まるには少し時間がかかるかなーというような色合いでしたが、そこに向かうまでのこのような色合いもまた風情があります。

一気に赤く染まるのではなく、少しずつ、ゆっくり緑から黄緑…黄色からオレンジ…そして赤くなっていく様子はなんとも趣があっていいですよね。そんな四季の変化を間近で感じることのできる環境にあることは本当にありがたく、子ども達の感性を刺激し磨いていくのには絶好の環境です。

私もクラス担任時代は子ども達を自然の中に連れて行くのに目的をもっていました。

今日は自然の中でとことん思いっ切り身体を使って、あそぶ日。

今日は崖のぼりや木登り、ちょっと子どもがしり込みするようなことにもチャレンジしてみる日。

今日はとってもいい気候だから、帰りの会にちょっと子ども達を連れて行き、風の音を聴きながら風の子公園で紙芝居を見る日!

今日は秋探しの日。春探しの日。いいモノ見つけの日……などなど。

年長に進級したばかりの春の桜の時期などは、行けるならば毎日でも子ども達を連れて行き、桜がつぼみの時期から開花して散るまでの一連の様子が見られるように保育の計画を立てていました。その時期にしか感じることのできない自然の移り変わりが存分に味わえるからです。前日とあまり動きのない日もあれば一気に変化している時もあり、それに子ども達も一喜一憂していました。紅葉も同じですね。

実際に子ども達が季節の変化を目で見て、心で何か感じることができるような経験を積んでいったら、心が豊かになっていくだろうなと思っています。自然の中には草の匂い、鳥の鳴き声や虫の声、葉っぱのさわり心地など五感を刺激する材料が溢れており、自分から敏感にそのようなことに気付ける子もいれば、まだなかなかその部分には気づけずにいる子もいると思います。だからこそ、そこで私達の出番がやってくるのです。教師自身が五感を研ぎ澄まし、気づきの目をもって子ども達がそこに意識を向けるきっかけ作りができる、そんな保育を目指しています。

桜が満開の時、紅葉が見ごろの時、そんな時期が一番人が足を運ぶ時であり、その時期しか見ることのできない是非見ておきたい景色ではあります。しかしせっかくこんな身近に自然がある環境ならば、その一連の流れを楽しむ…という経験があっても悪くない!と思っています。…というよりむしろそんな経験はなかなかできないことなので、大事にしていきたいという想いです。

子ども達の感性や感受性を育むのに自然環境という教材は絶好の教材だと思っていますので、これからも存分に活用していきたいと考えています。めるへんにとっては当たり前のこの自然環境も、当たり前と思わず私達自身が意識して日常の中に取り入れていく環境作りに今後も努めていきたいです。

さてさてこの日は、ビニール袋を片手にいろいろな大きさ、形の落ち葉をたくさん拾っていた子ども達でした☆

この日、みんなどんなことを心で感じたかな。

 

 

園長   伊勢 千春

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