2016年11月16日
最近、ありがたいなーと思うことがたて続いております。
先週のこと。
隣の公園を管理して下さっている地域のサポーターズクラブのSさんから、 「今から公園行くなら、一緒についてくよ~」 と声をかけていただきました。一緒に行った子ども達がモミジのことなど、いろいろ教えていただいてきたというのです。どうして同じ一本の木なのに、葉っぱには緑のところと黄色のところ、赤いところがあるのかというクイズを出してもらったり、 「七つに分かれているのがモミジの葉っぱだよ。葉に切り込みがあるから【いろはにほへと】って覚えるといいよ。」 など他の葉とモミジの葉の見分け方などを教えてもらったり…。
現在、地域にある賀茂神社のモミジが見頃を迎えております。季節限定のものなので、機会があれば子ども達にも見せてあげたいなーと思っていたところ、そのSさんが加茂の歴史ボランティアをしているということもあり、Sさんが「一緒に賀茂神社行くか~」と引率を申し出て下さり、年長児が昨日、賀茂神社まで歩いてイロハモミジを見てきました。
園から賀茂神社までは歩くと結構な距離がありますが、4月からは小学生!地域によっては学校までの距離も結構あるでしょうから、その訓練にもなるだろうと思い送り出しました。
私は会議が入っていたため一緒に行けず残念でしたが、鳥居脇のイロハモミジはとても美しかったようです。
子ども達10人が手をつなぎ、ようやく木の周りを囲めるくらい立派な杉の木などもあり、子ども達もいつも行く風の子公園とはまた違った興奮を味わっていたようです。
かなり歩いたので、先生も子ども達も今日は爆睡…だろうと担任談(笑)。どうだったでしょうか。
そしてこれも先週の話。
地域のIさんが本物の竹を使って、竹馬を作ってきてくださいました。ステンレス製ではない本物の手作り竹馬です。
この竹馬を持ってきて下さった時、Iさんからこのような記事もいただきました。
この記事によれば、小学1,2年生に当たる7歳児の歩行中の交通事故が突出しているとのこと。幼稚園では教育要領に交通安全教育が制度化されているが、保育所の保育指針には交通安全教育の重要性が記載されておらず、各園長の判断に委ねられており、幼児期に交通安全教育を受けずに小学校にあがる児童もいるという記事でした。
当園では交通安全教室を毎年開催し、隣の公園に行く時、昨日の年長児のように距離を歩き園外保育に行く時など実際に道路を歩きながら横断歩道の渡り方や歩き方の確認を繰り返し行なっています。
おそらく保育園でもお散歩に行く機会はあるでしょうから、きっと横断歩道の渡り方などはどの保育園でも指導しているだろうと思います。しかし制度化されていなければ、もしかすると地域によっては園外へ出る機会が少なく、そのような部分までなかなか取り組めないということろがあるかもしれません。
この記事の最後には、
【今は大人が子どもを交通事故から守ろうとする気持ちが強すぎて、子ども自身の危険に対する感受性が養われづらい。ぜひ、子どもに危険を考えさせる機会を日常的に設けてほしい。こうした教育は家庭で簡単にできます。例えば一緒に道路を渡る時、 「パパが「いいよ」と言ったら渡るんだよ」 などと言わずに、子どもに安全確認を任せるのです。きっと子どもは期待に応えようと、立派に安全確認してくれますから。】
と締めくくってあります。
今回Iさんは、 「めるへんさんではこの記事も含め、大丈夫だとは思ったんだけど、子ども達に少しでもそういう危険を察知する経験のひとつに、竹馬なんかどうだろうか―と思って作ってみたから、良かったら使ってみて~。」 というお話でした。
本当に何ともありがたい、地域の方のお心遣い。
最近よく全国ニュースでも取り上げられていますが、保育園建設に住民の理解を得られない…その原因の一つに子ども達の声がうるさい…子ども達の声が騒音として受け取られ、建設にこぎつけられないというところが少なからずあるようです。
今年の入園式の時、子ども達が大泣きの大合唱だったため、ご来賓として参列して下さった地域の方々に 「随分賑やかな入園式になってしまい大変失礼致しました。」 と最後にご挨拶すると、
「いやいや、入園式を毎年楽しみにしているんですよ。この年一回の子ども達の元気な姿からパワーをもらっている」
「最近は公園に行っても街に出てもこれだけ元気な子どもの声はなかなか聞けない。だから本当に頼もしい!また一年がスタートするな~という感じが毎年して~。いやぁ~いいですね~やはり子どもはこうでなくちゃ。」 と言っていただきました。
その少し後に保育園建設が難航しているところが相次いでいるという話題がテレビでも取り上げられ、私も気になっていました。先日見たニュースでも、子ども達の声が住民にうるさく思われないように鉄道などの高架橋の下や繁華街に保育園を建設しているところもでてきている…というのを見て、何ともいたたまれない気持ちになっています。待機児童解消問題もあり、そうでもしないと保育園建設にこぎつけられないというのももちろんあるのでしょう。保護者の方の中には駅がすぐ近くだから、職場がすぐ近くだからこのような環境下で逆に助かっている…という声もありました。社会を取り巻く大人の都合や親の利便性、こうしたやむを得ない状況もある中ですが、同じ年齢の子ども達と関わる一人としてはいろいろ考えさせられます。
幸いありがたいことにここの地域の方々には、いつもこのように温かい寛大な心で幼稚園を見守って頂いたり関わって頂いたりしており、これは当たり前の事ではなく、恵まれた環境にあるんだなーと。
ですから、いつもいつも地域の方には感謝の気持ちでいっぱいです。
子ども達が健やかに成長していくためには、このような地域の温かさも相まって成り立っていくんだろうと改めて感じました。
たくさんの問題を抱える現代、自分に身近なところから…自分にできることから、少しずつでも意識を持って取り組んでいきたいと思っています。
園長 伊勢 千春