園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2016年09月12日

9月に入り、秋の気配は少しずつ感じられるようになってきましたが、先週は残暑が続いており、子ども達はプールに水あそびに大いにはしゃいでおりました。

そんな中、年長組では一学期に行なったボディペインティングを、先日年少組と年中組で行ないました。

あそび経験値がまだまだ年長さんと比べれば少ないこともあり、どれだけあそべるのかなーと思っていました。やはり初めての体験!という子が多いため、最初は「こわーい」「よごれるのイヤ~!」「できないー」と嫌がる子が、特に年少さんの中に多く見られました。こわいものに触れるようにおそるおそる絵の具に触る子、絵の具を自分の体に付けられてビックリする子、様々でしたが、しだいに絵の具のヌルヌルの感触を楽しみ、自分の体やお友だち、先生にも絵の具をペタペタ!少ーしずつ解き放たれていく子ども達でした。

最初から好奇心を抱いて、やってみたい!楽しそう!ととびつける子どももいる半面、なかなか初めての事にすぐ入っていけない子ももちろんいます。最初は嫌で逃げていた子がちょっと興味を抱き 、陰からそっと覗き、先生やお友だちが楽しそうにあそんでいるのを見ながら、しだいに表情の硬さがとれて面白そうな様子を見て思わず顔に笑みがこぼれる・・・こんな段階を目指しています。ですから先生達もいかに子ども達があそびを魅力的に感じ、自分からあそんでみたい!という意欲がわくような雰囲気を作れるか…力量にかかってきます(笑)。

そのためには、先生自身も「先生」という顔ではなく、「子ども」になって理屈抜きに楽しむことが時に必要になってくると思います。きっとそんな先生自身の誰よりも楽しそうな姿を見て、僕も先生と一緒にやってみたい…と思う子はいるはずです。

子どもに対し何かを伝えたい時、親であれば言葉で言って聞かせたり、小言や注意がどうしても出てきてしまったり…。先生達も同様にこうなってほしい…という思いの伝え方が先生としての指導的な言い方ややり方になってしまいがちです。しかし見方ややり方をすこーし違う角度から、見て、感じて、くみ取ってあげることができたなら、子どもの次の物事に対する取り組みが違ってくる可能性も時にあるだろうと思います。

ですから言葉で「やってみようよ」「やらないとわからないよ」「おもしろいよ」と一生懸命誘ってみるよりも、先生の楽しそうな姿と笑顔があれば、あれこれ先生としての言葉を発さなくても子どもの心を動かす事はできます。

今しかできない体験、とことん夢中になる体験、心も体も解放し、頭で考えるのではなく心で純粋に楽しさや喜び、感動を味わってほしい…そんな充実感で心がいっぱいになる幼児期を過ごしてほしいと切に願っています。

思いっきりあそぶ泥んこも、ボディペインティングも今しかできない体験です。心身ともに解放し、こんなふうに汚れを気にせずあそべる時期は小学校にあがったら…そしてその先にはあるのでしょうか。なかなかそのような機会は訪れないでしょうし、もちろん、このような経験をせずに幼児期を過ごすことだってできます。

でも、私はこうしてずーっとめるへんの子ども達をみていると、子どもの世界からそのような体験がなくなることは逆に想像がつかないのです。少なからず年齢を重ねていけば、ゲーム等の異次元の世界に触れることも出てくるでしょう。しかし、今は…せめてこの幼児期はこのような今しかできないあそびや体験を積み重ねて、実際に肌で楽しさを感じ、心の底から楽しさを味わってほしいのです。

時代が変わっても子ども達のあそびが少しずつ変わっても、そして子ども達を取り巻く世の中の事情が変わってきても、いつの時代でも子ども達はこんなふうにイキイキとし、キラキラの笑顔でいられるようなそんな保育を今後も変わらず行なっていきたいなーと思っています。

 

最後に・・・

ここからの写真は年長組。

あそびの楽しみ方を知っている年長さん。年長ともなるとこんなにダイナミック!いろいろな色が混ざり合って最後はゾンビ??のようになってしまいましたが(笑)、みんなイキイキ!

 

そして、先生達もイキイキ!

これからも、とことんあそべ!めるへんっこ!!!

 

 

園長   伊勢 千春

 

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