園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2015年11月06日

子ども達が毎週楽しみにしている 「めるへんたいむ」。

クラスや学年を解体し、毎回6~7つのあそびのコーナーが用意され自分で好きなコーナーを選びあそび込む・・・・それを  「めるへんたいむ」と呼んでいます。

異年齢との関わりや自主性を育てる目的で行なっており、いつの時代も、めるへんたいむは子ども達にとって毎回ワクワクするとーっても楽しみな日になっており、根強い人気を誇っています。

1つのコーナーでじっくりあそび込む子もいれば、いくつものコーナーをかけもちして様々なあそびを楽しむ子もいて、子ども達の個性や性格が出ています。

自分の保育室ではないところのコーナーへ出かけて行ったり、担任ではない先生の話を聞いてあそんだりするので、特に年少児は慣れるまでドキドキだと思います。ですから、一学期の最初の頃の年少さんは先生と一緒にあちこちコーナーをまわってみて、やってみたい!というコーナーがあればそこへ残ってあそびを楽しむというスタイルをとっていました。

しかし、今の時期になると~・・・。

先生そっちのけで、やってみたいコーナーやあそびたいコーナーを自分で選択し、どんどん自らあそびのコーナーへいけるようになっています。

 

この「めるへんたいむ」・・・。

コーナーを企画する先生達はなかなか大変です。ただ子ども達が楽しめればいいというものではありません。

コーナーも「造形」「ごっこあそび」「戸外あそび」「集団あそび」「構成あそび」「日常生活」「週替わり」というようにそれぞれテーマがあります。

自分で好きなあそびを見つけてあそぶ自主性や、あそびを自分なりに工夫し、創造性が芽生えるもの、そして異年齢との関わりを通して人間性の広がりや思いやりの気持ちが育つもの・・・というねらいを意識してコーナー設定をしています。

子ども達がたくさん集まってくるような、いかに魅力的なコーナーにするか・・・

ただ、工程通りに作る…ではなく、楽しく創造しながらあそべるコーナーにいかにできるか・・・

先生たちが全部段取りをしたり、遊び方やルール、作り方を教えてしまったりするのではなく、いかに年長さんにも小さな先生になってもらって、年少・年中さんに教えてあげられるような環境をつくることができるか・・・

そんなことを考えながら先生たちは毎回コーナー内容を検討しています。

 

ちなみに今週のめるへんたいむのコーナーはというと~?

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【造 形】 腕輪作り

【ごっこ】 ジュース屋さんごっこ

【集 団】 ゲームあそび

【戸 外】 ドッジボール

【構 成】 フクロウ作り

【日常生活】 新聞プール

【週替わり】 飛行機作り・フリスビー作り

 

以上8つのコーナーがありました。

年に数回、サークル活動をしているお母さん達が企画するコーナーも・・・。

今回は、手作りサークルのお母さん達企画の「フリスビーを作ってあそぼう」のコーナーがありました。お母さんたち手作りの消しゴムハンコをペタペタ押して、新聞紙を使って作るフリスビー。

作って楽しいあそんで楽しいコーナーでした。

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このように、幼くても「自分であそびたいあそびを選択する」という自主性をめるへんたいむをきっかけとして子ども達につけていきたいと思っています。

 

つい先日、どんなコーナーがあるかポスター掲示してある正面玄関で、こんな親子の会話を耳にしました。

母「今日はどこのコーナーであそぶの~?」

子「ドッジボール!!!」

母「えっ?!またぁ~?たまには何か作ってみたら~・・・」

子「いやだ!ドッジボール!」

・・・・・(笑)。

親とすれば、いろいろなコーナーをまわってほしい、いろいろなあそびを味わってほしい、大人から見ればもっと魅力的なコーナーもたくさんあるし・・・という気持ちだと思います。

本当にその通りですよね。

でも・・・。

今はまっているあそび、とことん楽しみたいあそびを思いっきりやれるこのめるへんたいむは、子どもにとっては絶好のお楽しみの時間なのです。だから、ずーっと同じコーナーであそんでいても、毎回同じコーナーであそんでいてもいいんです。

それとは逆に、たくさんまわりたいコーナーがあって「全部行く~!」といって、あれもこれもを楽しむ子ももちろんいます。

ひとつのコーナーをじっくり味わい極めるのも、興味のあるコーナーをたくさん味わうのも子ども達の自由です。

それが子どもの「選択」なのです。

子ども達が「めるへんたいむ」を好きな理由・・・なんとなくわかりますよね。

大人の指示に従い、右と言われれば右…ばかりでなく、自分の意志で行動する力や自分で考えて行動する力、自主性は、これからとても必要になってくるだろうと思います。

子ども達に徐々に備わってくるそのような力をそっと見守りつつ、時に舵変更していけるようなスパイスをふりかけながら、子ども達の成長に寄り添っていきたいなーと思います。

 

 

園長   伊勢 千春

 

 

 

 

 

 

 

 

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