園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2014年09月17日

先週、年長3クラスが幼老交流を行ない、それぞれ三日間にわたり高齢者施設に出かけてきました。

行く前から、各クラス毎おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントをするんだと、折り紙で花や風車を作り張り切っていたようでした。

私もそのうちの一日、引率をし一緒に行ってきました。

最初はどのおじいちゃんおばあちゃんに話しかけたらいいか少し緊張していた子ども達も、おじいちゃんおばあちゃんの肩もみや腕もみ、手もみなどをしながら名前を教えたり会話をしたり、折り紙で作ったプレゼントを渡したりしてスキンシップがとれたところでお手玉や積み木などで一緒にあそびました。

お手玉も一人であそぶお手玉ではなく、おじいちゃんやおばあちゃんとお互い投げ合ってキャッチしたり、やっこさんなど少々難しい折り紙の折り方を教えてもらったり・・・。

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「あのね。やっこさんの上の部分は作ったことあったけど、下の部分は今日おばあちゃんに教えてもらって初めてできた!!!」と嬉しそうに見せてくれたMちゃん。

自分からおじいちゃんのおひざに座ったり、おばあちゃんにしがみついている子もいたり・・・。

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自分のおじいちゃんおばあちゃんではないのに、こんな風にかかわれるなんて、「現代っ子はコミュニケーション力がない」などとひとことで片づけられてしまわれがちですが本当にそうなのだろうか・・・と考えさせられました。

この子達をみていたら、現代っ子が・・・ではなく、人の温かさにふれる体験やいろいろな世代の人とかかわる経験の場があればこのような姿は自然と見られるのではないだろうか…と思いました。

各クラス年二回程度このような交流の場を作っていますが、あえて大人がこのように必要に応じて意図して整える環境はやはり必要なのだと改めて感じました。

 

そして最後はどのクラスも子ども達の大好きな歌や、「ゆうやけこやけ」「どんぐりころころ」などの歌のプレゼントをして帰ってきました。

子ども達の元気に歌っている姿を見るだけでも、きっとおじいちゃんおばあちゃんにとっては笑顔になれることかもしれませんが、童謡はどこか特別な感じがしました。大きな声で歌って下さる方もいれば涙を流されるお年寄りもいらっしゃり、童謡を一緒に歌ったらなんだか空気が変わったように感じました。

童謡の持つあたたかさを、世代を超えて一緒に共感できたひとときになりました。

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「私は子どもがいないので、孫もいない。夫婦だけの生活だが、今日は孫ができたようで嬉しい」とH君にずーっとおひざを独占されていたおじいちゃんが言っていました。

ちょうど100歳になるというおばあちゃんもいて「ますます元気になるねー」と笑顔でした。

 

人の温かさにふれる体験。

それは言葉の温かさ、笑顔の温かさ、おひざや手の温かさ、いろいろな温かさにふれることのできた体験でした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA  園長   伊勢 千春

 

 

 

 

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