園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2021年01月08日

2021年が始まりました。

皆さんはどんな新年を迎えられたでしょうか。

昨年末から全国的に新型コロナウイルスの感染者数が増え、帰省や外出を控えられた方もいらっしゃったことと思います。

私事になりますが、私の両家の実家は泉区内にあり、行こうと思えばいつでも行ける距離にあるものの、昨年は様々な状況を鑑み、顔出しすら極力控え、電話やメールでのやり取りを中心にしておりました。そんなわけでしたから、年末年始は毎年両家に一泊ずつお世話になり親戚等々で過ごしていたものを今年は控え、年始に挨拶に行った程度でした。初めて自宅での年越しとなったので、一応(笑)おせちを用意したり、一応(笑)お雑煮を作ってみたりはしたものの、3人家族の我が家の顔ぶれがいつもとまるで変わらないためか、お正月を迎えた気分を全く感じない新年の幕開けでした。たかが実家に一泊するだけなのに、たかが数人の近い親戚と過ごすだけなのに、そう考えればいつものお正月は非日常のことだったのですね…。

毎年お正月には、大人も子どもも混ざり合ってかるた大会やトランプ大会を開催し、大賑わいしながら今年の運をかるたやトランプの勝敗で占っていたので(笑)、来年のお正月はそんないつも通りのお正月が迎えられることを願いたいと思います。

 

昨年は本当に心休まることがなかった一年になりましたが、こんな状況下だからこそ、どうしていったらやれるかどこまでならやれるかなど例年以上に思考力を働かせた年でもありました。このような困難があることもまた、自分自身の眠っていた部分を働かせるにはよかったのかもしれません。

話は数年前にさかのぼりますが、以前、大学が主催の研修会と合わせた懇親会に出席した際に、記念公演をされたある大学の先生とお話しする機会がありました。その時、その先生から「伊勢先生は今、幸せですか」と聞かれたことがあります。そして続けて「人が幸せでいるためには何が必要だと思いますか」と問われたことがあります。その時すぐに答えがでなかったのですが、話の中で先生は「人は考えることで幸せになれる。だから考えることをやめたら人は幸せになれないんですよ。」と。だから子ども達や幼稚園のために『考える』ということは、それらにかかわる方たちの幸せにもつながり、自分自身の幸せにもつながるのか…と深く胸に刻まれた言葉でした。

ですから昨年は考えることがたくさんあり大変ではありましたが、『考えること』がそういう意味で皆の豊かな気持ちにつながっていくのだと思えば、今年もたくさん考えてその時のベストを尽くそうと思えます。

年末に大学生の娘が友だちと電話していた際、その電話の相手が「今年は何もできなかったし何も頑張れなかった」と落ち込んでいたと娘から聞きました。確かに旅行も遊びも大学生活もやりたかったことが制限され、そういう意味では「何もできなかった」という気持ちになったのだろうと思います。しかし私は電話相手のこともよく知っているので、その言葉を聞いた時、全く違う印象を受けました。

「え…?!そんなことないよね。遊びに行きたい気持ちやいろいろ行動したい思いがあったのに、家族と生活しているから家族のために自分の行動を考えてちゃんとセーブしていたよね。今までの中で一番、自分の事だけでなく周りのことを考えて行動できた年だったんじゃないのかな。だとしたら何もできなかったし何も頑張れなかったなんていうことはないよね。むしろすごく頑張った一年だったんじゃないかな」と娘に話すと、娘も電話の相手にそのことを伝えていました。娘自身も同居の私たち親の職業人としての立場もよく理解し、行動をかなり抑えて生活してくれていたと思います。

そういうひとりひとりの行動がこの状況を早く収束させることにつながるのだと思います。だから私も『昨年一年はよく頑張った』と自分自身にエールを送り、新たな年の自分にも『よし。また今年も頑張るぞ』とエールを送りました。昨年はきっと大人も子どももひとりひとりが自分なりにできることを頑張った年だったと思います。

新型コロナウイルスがまた全国的に再拡大してきており、首都圏においては緊急事態宣言もでました。まだまだ気を引き締め、心も身体も健康である一年になれるよう、新しい年も心豊かに前向きに取り組んで参りたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

園長    伊勢 千春

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