園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年12月06日

12月に入りました。

日中おひさまが出ると暖かさも感じますが、朝晩はやはりだいぶ冷えてきました。今朝、外で子ども達を出迎えておりましたら、白い小さな粒であられのようなものがぱらついてきました。すぐにやんでしまいましたが、外であそんでいた子ども達は、「えっ!しろいつぶだー!」「ゆきじゃない?!」と歓声を上げ、小刻みにジャンプしておおはしゃぎでした。まだ積雪はないものの、仙台にも雪の便りがやってくるのも近いかもしれませんね。

 

さて、このところ園長室で仕事をしていると、ホールから元気な歌声が響いてきて、仕事のBGMのようになっています。というのも、来週には合唱会を控えており、昨日は総練習の日でした。

例年お伝えしていますが、めるへんの合唱会は 『生活発表会』 と位置づけております。

普段の子ども達の日常の中に歌はあります。園生活の中にも歌が溢れていて、歌は子ども達にとって身近なものであり、自己表現のひとつと捉えています。歌に親しんだり、皆と一緒に声を出して楽しんだりしていく過程の中で、うたって楽しい、みんなで声を合わせるのって楽しい…!そんな想いを味わってほしいと思っています。その中で少しずつ歌詞の情景を思い浮かべながら歌ってみたり人に見られることを意識してどのような態度でステージに立てばいいのか気づいたりしていくような成長ができればと思っています。ですから、発表会のために…人に見てもらうために…立派に歌う、上手に歌うということに比重を置いておらず、そのような姿は年齢に応じて生まれてくるものだと解釈しています。

年少さんは本当にクラスで楽しんでいるそのままをお見せできればいいと思っています。合唱会とはいえ、年少は 『うたあそび』 というくくりです。入園から8カ月が経過し、おうちの人から離れて生活する幼稚園にも慣れて、最初は先生がいないと不安だったのがお友だちとの関わりを楽しめるようになったりうたあそびを通して表現することを楽しめるようになったりしています。大きな会場での発表になりますが、人に見られることを意識したり緊張したりする…という感覚はまだそれほどないのが年少さんだと思います。きっと教室で普段先生やお友だちと一緒にうたあそびを楽しむありのままの姿がご覧いただけると思います。

年中さんは年少に比べれば、見られるという意識もでてきますが、それでも元気いっぱい張り切って、歌えるようになった歌や普段から楽しんでいる歌を披露できると思います。できるようになってくることが増えたり自信がついてきたりしている分、みんなに見てほしい、聴いてほしいという前向きな気持ちも出てくる頃です。その反面、まだ恥ずかしさがでたり集中力の持続が難しかったりすることもあるかもしれません。しかし、イキイキと張り切って元気いっぱい歌う…という姿が前面に表れるのが年中さんの特徴になってくるのではないかと思います。

そして年長さん。

大きな舞台での緊張感はもう十分感じる年齢です。人に見られているという意識も十分ありますからドキドキしたり少し心が縮こまったりすることもあると思います。しかしそんな経験も必要な経験のひとつと捉えています。歌詞を思い浮かべながら歌うことも年長だからできることで、歌を通して想像力も膨らんでいけばいいなという願いを込めて、歌を取り入れています。そして時と場を考えて今どのように行動したらいいのかを感じ取ってそれを実践することや緊張しても今の自分の力を発揮するなど、これから小学校にあがっても必要になる部分も意識しながら進めているところです。子ども達が自信を持って堂々と表現している姿をお見せできればと思います。

運動会と同様、合唱会は子ども達の成長の差、学年の差、成長の過程が良く見て取れる行事です。我が子の出番だけでなく、どうぞそんな視点で他学年の子ども達にも目を向けていただけると、また違った楽しみ方ができるだろうと思います。

 

そして、当日歌う曲の中には、童謡や初代園長富田先生作詞の歌も盛り込まれています。

新任時代から10年以上に渡り、幼児教育とは何ぞやというものを富田先生から叩き込まれ、幼児教育に欠かせないもの、絶対的に必要なものを私は学びました。その中には童話や童謡ももちろん含まれており、幼児教育にとって欠かせない大事なひとつになっています。時代の変化と共に私達の身の周りに溢れる歌やものも様々な形のものが生まれています。新しい形も取り入れつつ、日本語の持つ美しさや思い描かれる情景など、失くしてはいけないもの、大事に歌い継いでいきたいものをこの幼児教育の現場では大切にしていきたいと思っています。子ども達の心が豊かになるよう願いを込め、『やまのおんがくか』『こぎつね』『たきび』などどなたでもご存知の童謡を三学年とも盛り込んでいますので、ぜひご一緒に口ずさんで頂けたら嬉しいです。

 

担任とクラスの友だち、同じ歳の学年の仲間、それぞれ一体となって当日を迎えます。もしかすると慣れない大きな立派な会場や雰囲気に戸惑う姿等もあるかもしれませんが、どうぞ温かい目でご覧ください。

 

 

園長    伊勢 千春

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