園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年12月17日

先週、『生活発表会~合唱会~』をイズミティ21の大ホールで行ないました。

大きなホールにたくさんの観客、キラキラの照明をあびて、普段とは全く違う環境に戸惑った子もいたかもしれません。私はピアノ側の舞台そでから、子ども達と先生達に密かにエールを送っておりましたが、少し緊張気味の子やおうちの人が観に来てくれて嬉しそうな子など表情はいろいろでした。それでもみんなイキイキいつも通りの表現ができていたと感じることができた合唱会でした。こんな大きな舞台に立てる機会はそう滅多にあることではないので、このような経験も良い経験のひとつかもしれませんね。

子ども達と同じくらい気にかかっていたのは、先生達のピアノでした。

幼稚園などで行なわれる発表会のピアノ伴奏は、得意な先生や習っていた経験のある先生が担当するということも珍しくないはずです。しかしめるへんの合唱会は、基本全員が均等に弾くことになっています。合唱会の有無に関わらずクラスでは必ず子ども達と歌を歌うため、ピアノの練習は必須です。発表会でピアノの上手な先生や得意な先生だけがいつも弾いていたのでは、クラスで歌う時も伴奏にしっかり意識を向けて子ども達と歌を楽しめるだろうかと思うと、なかなか人の心理的には難しいというところもあるのではないかと思います。

そんなこともあり、得手不得手関係なく、先生達ひとりひとりが頑張っています。

中にはけっこう難しい伴奏のものもあり、ピアノが得意ではない先生からしたら相当練習が必要だったはずです。しかし、そんなそぶりは表立って見えず、きっと影の努力があったのだろうと十分推測できました。仮にピアノが得意だったとしても、あのような大きな舞台で伴奏するとなれば、かなりの緊張もするでしょうし、子ども達の歌の足を引っ張ってはいけないというプレッシャーは全員が持っていたと思います。もうこれは各自の練習あるのみで、私ができることは何もなく、皆を信じて「大丈夫、やれるよ。」という声をかけるくらいです。そんなわけで、毎年舞台裏のピアノのそであたりで子ども達と先生達に熱い視線と心だけはしっかり送っていました。

笑い話ですが、そんな想いでいつも舞台そでにいたのに、当日の朝N先生が私のところに近寄って来て、とても言いにくそうに、ピアノのそばに立たないでほしい…と(笑)。私がそばにいるとよけい緊張するとの話でした。みんなの緊張をほぐすために良かれと思っていたことが、まさかの逆効果!(みんな、そうだったの~?!ごめん!!(苦笑))

そんなわけで、今回は少しピアノから距離をとって見守りました。※私なりの気遣いです…(笑)。

合唱会が終わった後に、お昼を食べながら雑談でその話題になると、N先生と同じように思っていた先生もいれば、逆にピアノの近くにいたほうが安心するという先生もいたり、「今日の千春先生の立ち位置、いつもの合唱会とちょっと違ってましたよね?!若干距離があったというか。見えにくそうでピョコピョコしてたのが見えましたがそういうことだったんですね~」と冷静に察知する先生もいたりと様々でした。たかが立ち位置のことですが、みんなの想いを組もうとすると難しい…と改めて感じました。

そんなちょっと笑える裏話もありましたが、努力はやはり実を結ぶのだということを今回改めて感じました。子ども達に注ぐ想いと同じくらい、先生達に注ぐ想いもあります。幼稚園の先生だからできて当たり前、仕事だから当たり前…一般的にはそんな捉え方も少なからずあるでしょう。でもそのひとことで済ませたくないと思っています。みんなを信じてみんなに任せて「大丈夫、やれるよ」と背中を押してあげたいですし、たくさんの努力を認めてあげたい。それはピアノだけに言えることではありませんが、大人もこんなふうに努力すればしっかり実を結ぶということ、心をもって行動していれば相手にちゃんと伝わるということを私は常々学んでいる気がします。

2学期の子ども達も、運動会や合唱会をはじめ、いろいろなことに挑戦していました。長縄や一人跳びなども練習している姿を毎日みてきました。練習している子はやはりできるようになっていくのです。リレーの練習の時もそう思いました。やはり、何度も何度も自由あそびの時から走っている子は走り方がどんどん変わっていくのがよくわかりました。二学期はそんな努力している子ども達や先生達を目の当たりにし、自分自身を振り返ってみると、具体的に何のためにどんな努力をしただろうかと思わず自問自答してしまいました。

今年も残りあとわずか。

来年は子ども達や先生達を見習って、自分もこのことのためにこんな努力をした、と胸を張って言えるようにならねばと思っています。

自分自身の中での唱え言葉は、【人に言う前に、まず自分】ですから。

 

 

園長    伊勢 千春

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