園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2018年07月19日

例年より早い梅雨明けをし、仙台も毎日かなり暑い日が続いています。とにかく今は熱中症や熱射病が心配なので、クールダウンの時間をとったりこまめな水分補給や外あそびの時間も調整したりしながら保育に当たっています。短時間であっても園庭でのミストシャワーやプールも存分活用!体の熱を少しでもとれるよう、活動も考えながら…といったところです。

先週金曜日は年少・年中組のボディペインティング、そして土曜日は親父の会主催のどろんこ大会とこの時期ならではのイベントが目白押しでした。普段のあそびの中で、水あそびや泥んこあそび、絵の具あそびは楽しんでいますが、ダイナミックにあそべる環境を整えてのボディペインティングや泥んこ大会は新入園児にとっては初めての体験。急に当日を迎えるときっと尻込みしてしまう子もいると思うので、そこに至るまでに少しずつ段階を追うようにしています。

例えば、最初からダイナミックな泥んこや水あそびはハードルが高いので、まずは外に出てあそんでみる。先生や友だちと追いかけっこをしたり、大型遊具であそんでみたりしながら、外で体を動かしてあそぶ解放感や楽しさがわかるような働きかけをしています。砂あそびもそうです。最近は遊具はあっても砂場のある公園は少なくなってきており、砂あそび自体、幼稚園や保育園に入るまであまり経験できずに入園してくる子もいるようです。ですから、裸足になってみる経験や砂場でのままごとあそびなどから、徐々に水も使って泥んこあそびを楽しめるようにしていくという流れを作っています。それでもやはり年少のうちは、どろんこやボディペインティングのようなダイナミックなあそびはおっかなびっくりという子もちらほら。楽しめるところまでいけない子もいます。でも、それも経験。決して無駄な経験ではなく、次につながる経験になっていくので、個々に合わせてあそびに誘うようにしています。

先週金曜日は子ども達のボディペインティングが終わった後の着替えの手伝いに少々入りました。保育室に行くとすぐに、はだかんぼの年少さん達にとり囲まれました。はだかんぼのちびっこたちは私のもとに群がってくると口ぐちに「えのぐたのしかったよー!」と伝えたい気持ちが止まらない様子。何人の子ども達が満足げな表情で私に教えてくれたことか…。着替えに向かう気持ちより、楽しかったことを今すぐ伝えたい!という気持ちの方が上回っていたようです♡ そして、手伝いに入ったものの、着替えもみんな自分で頑張っていてビックリ。身体が濡れているためなかなかパンツも靴下も上手くはけない状態なのに、一生懸命自分で頑張る姿が…(涙)。「裏返しになっている服や靴下を直してほしい人は先生のところに持ってきてねー」と声はかけてみたものの、「できるよ☆みててね☆」と得意げな表情。入園したばかりの三か月前までは、あれほど泣いて暴れてお母さんの姿を探していた子ども達が、たった数ヶ月でこんなにもたくましく、こんなにも満足げな表情になるなんて…と嬉しさがこみ上げてきました。子どもの成長に驚きと感動の一日でした。

そして泥んこ大会。

親父の会の皆さんの企画により開催され、当日は晴天、絶好の泥んこ日和の中、たくさんのお父さま方にご参加いただきました。毎年のことながら、親父の会のコンセプトである『めるへんの子はみんな我が子』通り、我が子が気になりながらもたくさんのいろいろな子ども達と関わって下さっていたお父様方の姿が印象的でした。本当に暑い中、ありがとうございました。泥んこ大会も、年少→年中→年長と学年が上がるごとに、ダイナミックさやあそびの質、経験の差がみごとに表れていました。大勢のお父さん達に圧倒され、泣いてしまったり思いっきりあそべなかったりした年少さんも見られましたが、今日のこの経験や日々の泥んこあそびが来年へとつながります。どんなふうに表情が変わっていくのか、どんなふうにたくましくなっていくのか、考えただけでワクワクしてしまいます。

 

心も体も解放してあそぶという学びを今の時期に逃したら、いったいいつ経験できるのだろう…と子ども達のイキイキしている姿を見てふと思いました。長い人生の中でこんなふうに思いっきりあそべるのは幼児期のごくわずか、数年でしょう。小学生だからできること、中学生だからできること、そして大人だからできること。人の成長過程の中には、その時期によって必要なものや大事にしなければならないものがあるはずです。そう考えると、この時期をどう過ごすか、この時期にどんな経験をするか、3,4年という短い幼児期だからこそできる体験をもっともっと考えて濃厚な毎日にしていけたらと改めて思いました。

というのも、ちょうど同じ時期に【 幼児期に『あそび』をおろそかにすることは『学び』をおろそかにすること。 】という記事を目にしました。

子どもの『あそび』こそが『学び』であり、子どもは『あそび』の中から『学び』を得ていく。ということは、幼児期にとことんあそぶ…ということは、とことん学ぶ…ということと一緒なのだと思います。

二学期もそのような信念を貫き、この幼児期に、今、経験すべき活動はどんなものがよいのか、どんなあそびをすることでどんな学びができるのか、この夏休みに私ももう一度じっくり考えてみたいと思います。

 

さあ、もうすぐ夏休み。

夏にしかできない経験、夏休みだからできる経験が家庭でもできたらいいですね。暑さが厳しい今年の夏ですが、夏バテしないように睡眠をたっぷりとって、栄養のあるものをしっかり食べて、この夏を乗り切りましょう!

一学期も大変お世話になりました。二学期もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

園長   伊勢 千春

 

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