園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2016年02月01日

今日から二月に入り、先週末で劇あそび旬間が終わりました。
この二週間、あちこちでお話の世界に出てくる登場人物や動物になりきってイキイキとあそぶ子ども達の姿が見うけられました。

一歩保育室を出るといたるところに鬼がいたりえんま大王がいたりサメやオオカミが潜んでいたり・・・(笑)。あらゆるものが行き来していて、おおさわぎ!

本当にこの時期はどこにいても油断できません(笑)。ちょっと油断して廊下を歩こうものなら、「ねえねえ、白い卵見なかった~?!」「今赤鬼がいたの!!!先生も気を付けて!」「ほら!今唸り声が聞こえたでしょ~!!!」などなど・・・。

先日は園長室で仕事をしていると≪謎の手紙≫の解読を求める子ども達がどやどや入ってきて、園長室は子ども達で埋め尽くされました(笑)。

話の展開が今どうなっているのか何がなんだか分かりませんが、とにかく興奮状態の子ども達のドキドキワクワクに寄り添い、共感しなければなりません(笑) 。

最終日にはこんなことも。

「せんせ~い!!!大変!来て来て!」と廊下から緊迫した子どもの声。「どうしたの?!」と駆け寄ると「ここの扉、さっきまで開いてたのに今閉まってるのぉ~!!!」とホールの扉を興奮して指差す子ども。開いていた扉が閉まっているだけ・・・。いえいえ、いけないいけない。ここは子どもの空想の世界に入り込まねば…という思いで、「えっ?!本当に開いてたの?!じゃあ、閉めたのは誰のしわざだろ…。一緒に開けてみよう。なにか潜んでいるかも!」

せーの、ガラリ!…でも中にはだれもおらず・・・。

「さっきまでここにサルとか猫がいたのに誰もいない・・・。そっか~!さては鬼に連れて行かれたのかも!ちょっと行ってくる!」・・・・・そういってホールからすごい勢いで飛び出していき、一人ぽつーんとホールにとり残された私・・・(笑)。とにかく子ども達の頭の中は想像の世界でいっぱいのようでした。

こちら側も臨機応変の対応力が試された、なんともスリリングな二週間でした。そして園長室も職員室も廊下も風の子も、どこもかしこもお話の世界に包まれていました。

各クラス独自のストーリーがあるものの、こうしてあちこちにいろいろなお話の世界が溢れていますから、ありとあらゆるものが刺激になり、話が思わぬ方向に展開していくこともしばしば。ですからそれをクラスのみんなが共通してわかるように今どのような展開になっているのかまとめ伝えていく先生はとても大変で、力量が問われるところですが、時に悩み苦しみながらも先生達も想像の世界を楽しんでいます。

クラスをまわっていたら、たまたま年長のあるクラスでえんま大王とおっかさんが最後感動の再会を果たすという流れの部分に遭遇。子ども達は教師ふんする大王とおっかさんの周りを囲うようにいる中、ひとり離れたところでポケットからハンカチをだして涙を拭いている子を発見。あそびに入っていけないのかと心配になり、どうしたのか聞いてみると、「あのね、えんま様とおっかさんがようやく会えて嬉しいの。だからうれし涙が出ちゃったの」と…。

そのあとは出会えた喜びの舞を踊りながら練り歩き始めたみんなを見て、その子も笑顔で舞の中に入っていきました。この光景を見て、どれだけ劇あそびの世界に入り込んでいたのだろうと驚きました。

クラスの垣根や先生たちの垣根も越え、幼稚園中の様々な見るもの出あうもの全てを巻き込み取り込んでいく劇あそび。

子ども達の想像力は果てしなく、今はそんな空想の世界もとことん楽しんでほしいなーと改めて思いました。

 

さて、集まりの時の年少さん。

普段楽しんでいる「パンダ・ウサギ・コアラ」の歌あそびを、お面をつけて自分たちのクラスのお話に出てくる登場人物に置き換えたオリジナルバージョンの替え歌「サル・サメ・カメ」を、大笑いしながら喜んで表現している姿があまりにも楽しそうで、思わず見入ってしまった私でした♪

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そして最後に・・・。

鬼に扮した新任の先生の楽しそうな劇あそびの一コマ。

若手の先生達はこの劇あそび、羞恥心を捨て、先生自身もいろいろなものになりきらなければならないので、なかなか難しいと思います。でも、先生たちもこのような荒波にもまれ、殻も少しずつ破れながら子ども達と一緒に日々成長していくのだろうと思います。今では喜んでいろいろな役になっていますが、若かりし頃は私もその一人でした(笑)・・・。

 

園長    伊勢 千春

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