園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2015年11月20日

 

暖かい日が続いていた、つい先日。

年中組の男の子が「せんせい、春が来たね~」とつぶやくように話しかけてきました。そのつぶやきがなんとも柔らかく、いや、これから冬だよ…と現実を伝えるにはなんだかしのびないようなつぶやきでした。

そんな気候もいよいよ終わりか、おひさまが出ていても空気はひんやり感じられるようになってきました。

昨日園庭では雪虫が飛んでいるのも見かけ、冬の訪れがもう少しなのだろうことを感じていました。

見上げてみれば、めるへんの園庭のイチョウの木も様変わり。

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緑から黄色、そして現在・・・

すっかり葉を落としていました。

 

ところが、よーく見てみると・・・・。

皆さんお気づきになりましたか?たった一枚だけ風に揺られながら生き残っているイチョウの葉を発見!!!(写真右上)

たった一枚だけです。

思わず大興奮して写真におさめました。

なぜこんなにこのイチョウの木に残された一枚の葉っぱに興奮しているかといえば、その光景から思い浮かんだのが、絵本「葉っぱのフレディ」でした。

ご存知の方も多くいらっしゃることと思います。

絵本を簡単に集約すると・・・

≪春に生まれた葉っぱのフレディが自分という存在に気づき、成長し、「葉っぱに生まれてよかったな」と思い、「葉っぱの仕事」を終えて冬に土へと帰っていくまでの葉っぱの一生を描いた物語≫ です。

この絵本は「死」について考える本でもあり、自分の力で「考える」ことをはじめた子ども達、そして子どもの心をもった大人たちへ贈る絵本…とかかれてあります。

この絵本の中ではフレディが葉っぱ仲間の中で最後の最後に木から離れていくので、私が見た最後の一枚のイチョウの葉も「フレディみたい」と思ってしまいました。

私が読んだ数えきれない絵本の中でも、この絵本はとても印象深いものです。

このイチョウの木と、寒さを感じ冬の訪れを感じ始めた自然の風景を見て、ふとまた物語を読んでみたいと思い、昨晩読み返してみました。

めるへんの葉っぱのフレディもやがて木を育てるための大事な力になることでしょう。

 園長   伊勢 千春

 

 

 

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