2014年06月13日
初代園長、富田先生から昔こんなことを言われたことがありました。
・ 一日10回 「ありがとう」 を口にすること
・ 一日10回 「感動」 を見つけること
これを当時、個人の記録簿に記入しなければなりませんでした。
簡単そうに見えて、これがなかなか難しい!
廊下で富田先生に出くわすと、「あんた、今日感動したことを聞かせてみろ~。いくつ見つけた?」とニヤニヤした顔で言われ、しどろもどろになった記憶があります(笑)。
どんな小さなことでもいいんです。
子どもが落ちているものを拾ってきてくれた時に「ありがとう」、誰かが出しっぱなしにしていた水道の水を止めてくれた時に「ありがとう」、自分が使っていないおもちゃを片づけてくれた子に「ありがとう」・・・。
よく考えると「ありがとう」は、私たちの身のまわりにたくさん転がっているのです。
「感動を見つけること」 も同じでした。
今日私が見つけた感動は、
・しばらく雨続きだった後の綺麗な青空
・雨のおかげか、幼稚園の作物が一気に大きくなっていたこと
・雨粒が光に当たり、キラキラしてとっても綺麗なクモの巣
・園庭に出来た水たまりで子ども達がはしゃぎながら裸足であそんでいる姿
・Nちゃんが泣かないで来れた!感動~・・・・・。
子育てをしていると、我が子がなにかひとつクリアできると、またすぐに次の気になるところに目がいってしまう・・・ということ、ありませんか?
子どもを持つ私も、実際そのような経験はもちろんあります。
ただ、「ありがとう」を意識したり、いいこと探しや感動探しをしたりしていると、あまり目くじらも立てなくなるし、気持ちにも余裕ができてきます。
なぜ当時の園長がこんなことを私たちに仕事の一環としてさせたのか。
まさに教育の現場にもこのような雰囲気が必要であり、子どもを取り巻く私たち大人がそのような目を持ち、意識を持っていなければならないという教えだったのでしょう。
私にも、現在中学生の娘がいます。
娘が小学4年生の時に「ママはありがと星人だね。いっつもありがとうって言ってる。私の友だちにもありがと星人のKちゃんがいるの。私もありがと星人の仲間になりたい!」と言ってきたことがあり、驚きました。
きっと幼稚園で培われた「一日10回ありがとうを口にする」が、私自身、身についていたのかもしれませんね。
そのことが、自分の子育てという思わぬところで実を結んでいたのかもしれないな・・・と実感した瞬間でもありました。
まずは子どもを取り巻く私たち大人が少し意識して「ありがとう」を言ってみたり、感動探しをしていったりしたら、我が家の娘のようにいつか何かに気づく時がくるかもしれませんね。
「今日のありがとう」、そして「今日見つけた感動」の話題があふれる幼稚園でいられたらいいなーと思います。
園長 伊勢 千春