園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2016年04月26日

新年度が始まって二週間が過ぎました。

新入の子ども達も、そろそろ自分のクラスを覚え、登園バスから降りてくると自分のクラスにちゃんとむかうことができています。こんな当たり前…と思われる様なことも、入園したばかりの子ども達にとって、少し大げさに言えば初めて訪れた未知なる世界での出来事なのです。

そこにすぐ順応できる子もいれば、少し時間のかかる子がいるのも当たり前の事なのでしょう。

今までは家庭で子どもとの絶大なる信頼関係が成り立っていた 【お母さん】 という存在。

その【お母さん】にかわって、幼稚園では子どもにとって一番信頼関係を築かなければならないのがクラス担任なのだと思います。

幼稚園には大好きなお母さんがいなくても、先生がいるから大丈夫!と早く思ってもらえるように、笑顔で迎える、両手を広げてぎゅっと抱きしめる、気持ちに寄り添う、楽しいことをしかけてみる…こんなことをしながら子どもたちひとりひとりとの信頼関係を作る努力をしている真っ最中です。

そのような信頼関係を築くことが、まずは子ども達の心の安定につながる第一歩だと思っていますから…。

 

これからゴールデンウィークを迎えますが、毎年の事ですが連休明けは当園を渋る子も出てきます。家庭で楽しいことをたくさん味わってきた子ども達ですから、幼稚園に来て自分でいろいろなことを頑張らなければならない状況は、子ども達にとってもそれは多少なりともしんどく感じることでしょう。

しかし、迎える立場の私達もこのような思いをもって子ども達を迎えていますので、どうぞGW明けも、笑顔で我が子を送り出していただきたいと思います。

今朝、登園バスから帰ってきた添乗の先生がこんなことを言っていました。

バスに乗せる時、新入の子ども2~3名がバスに乗るのを躊躇したとのこと。バスの添乗員が先週と違っていたからだそうです。そうなんです…。バスの添乗員は、一週間交代で3台のスクールバスの添乗をしているのです。だから、先週の先生と違い、乗るのに抵抗を感じた子がいたようでした。でもこれは裏を返せば、先週の添乗だった先生は自分の事をバスに乗せて幼稚園まで連れて行ってくれる先生、帰りもお母さんのところにちゃんと返してくれる先生…という理解ができている証拠で、まさにこの子達と先週添乗だった先生との間で小さな信頼関係が生まれた…ということだったのではないかと思いました。

そうそう、この話題で思いだしましたが、数年前、ある保護者の方がお子さんを入園させたばかりの頃、自分も幼稚園という新しい環境にまだ緊張し、園の門をくぐるのにもドキドキしてしまう…というお話を頂いたことがありました。

私は基本的には朝帰りの登降園の時間帯は玄関前に立って子ども達を出迎えたり見送ったりしようと決めているので、本当に単純なことですが、笑顔で迎え、元気な挨拶で関わることを心がけています。

まずは笑顔で元気な挨拶をし、子ども達も含め、自分と関わる人との信頼関係を築くための糸口になればという思いです。そのような小さな積み重ねを築いていき、お互いが信頼関係を少しずつでも深めていければいいと思っています。

ちなみに、園の門をくぐるのもかなり緊張し、ドキドキしていた保護者のTさん。

しかし、いつの間にか園のサークルにふたつも所属し、いつもキラキラした表情で子ども達の前で歌ったり演じたりしていました。そのような姿を拝見し、お子さんが卒園される時には、「ああ、そんな時もあったなー、今の姿からは想像もつかないなー(笑)」なんて見ていました。

三年間の中で、Tさんと幼稚園との間にも信頼関係が生まれたのではないかなー、そうであってほしいなーと思います。

とにかく今はこうしてひとりひとりと早く信頼関係を築き、子ども達や保護者の方の緊張を解きほぐし、安心してのびのび生活できる居心地のいい場所になるよう頑張っていきたいと思っています。

 

園長    伊勢 千春

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