2026年10月07日
先週金曜日、シェルコム仙台で運動会を行いました。
その少し前、9月12日の河北新報に「変わる運動会」という記事が載っていたのを目にしました。従来の「運動会」が持つ「一斉」「集団」「競争」というイメージから、呼び方も「スポーツフェスティバル」や「プレイデー」といった名称に変わる園も増えてきたとのこと。その目的として、順位を競うためだけでなく、身体を動かすイベントとして楽しもうということがあるようです。
そもそも運動会は何のために行うのか…と問われれば、私の中では大きく分けて二つあります。
一つ目には、子ども達の心の成長です。
日ごろから子ども達は身体を大いに動かして友達や先生と体操をしたりダンスをしたりしながら運動遊びを楽しんでいます。幼稚園に入ってからできるようになったこと、今、挑戦していること、楽しんでいることや頑張って自信をもってできるようになったことがたくさんあります。
自分の好きな遊びが主流だった入園前と比べ、幼稚園に入ってからは遊びの幅が広がったり、先生や友達と一緒に踊ったりかけっこしたりすることが楽しいと思えるようになったりした子もたくさんいるはずです。そして楽しいだけでなく、時に、友達と力を合わせるとか最後までやり遂げるとか、転んでも立ち上がってバトンをつなごうとする姿などは、なかなか家庭では見ることのできない姿でしょう。
そんな子ども達の心の成長をおうちの方にも感じていただき、園と家庭とで子どもの姿を共有できることが、運動会を行う二つ目の目的と考えています。
小さな小さな心の成長が日々積み重なり、子ども達は成長しています。家庭ではあまり目にすることのない、皆と一緒に頑張る我が子の姿だったり最後までやりきる強さだったりを体感できることは、運動会を行う上でも保護者にとっては大きな意味を持つと思っています。
運動会までのプロセスは、そういったこどもひとりひとりの心の成長に大きく影響をもたらすことを考えると、心の成長は一日で達成されるものではないし、ただ「楽しい」だけで達成されるものでもないはずです。そう考えると、当園の運動会はどうあるべきかということが自然と見えてくるような気がしています。
ただ、見栄え良く綺麗に整列し先生の号令に従い、言われたとおりにこなしていくのが私たちの目指す運動会ではありません。運動会を迎えるまでには、「皆と力を合わせるとはどういうことか」を子ども達なりに考えたり、時には悔しい思いをしたり踏ん張ったりと小さいなりに心の葛藤もでてくるはずです。そして「勝ちたい」「もっと速く走れるようになりたい」という新たな気持ちも生まれ、そうなるにはどうしたらよいかをまた考え、実践していく…心の葛藤は前向きな気持ちにもつながっていくのです。そんな心の変化が子どもたちの心を、よりたくましいものにしていくのだろうと思います。
「競争」や「順位」が無くなりつつある昨今の運動会ですが、これから子どもたちが大きくなるにつれ、「競争」や「順位」から全て切り離された環境の中で生活することはできないだろうと思います。そして集団生活の中だからこそ、幼稚園や学校が補える役割やこどもの心の育ちがあるはずです。そういう深いところに目を向け、考えていきながら、これからも子どもたちにとって、その時のベストを探って行こうと思います。
どんな行事においても、一番はその行事を通して子ども達の何が育つのかということを考えていくことが大事なことですが、今回、新聞記事を読み、いろいろと考えさせられました。時代の流れ、社会の風潮…頭だけで考えていると、見えにくくなる部分やこれでいいのかと自問自答する部分がでてくることもあります。しかし、全ての答えは私の目の前にいる子どもたちの姿から導き出されました。
めるへんの運動会は、運動会までのプロセスは、これでいいのだと確信した実りある一日になりました。そんな子どもたちと先生たちに感謝。
そして、運動会の終了後、会場の片づけに手を貸してくださった保護者の皆さま方にも感謝いたします。
これからも共に子どもたちの成長を分かち合っていきましょう。
園長 伊勢 千春