園長室から

春の足音

春の足音が近づいてきました。

風の子公園ではふきのとうが顔を出し、梅の花が開き、おひさまが出ているときは暖かさも感じます。日も長くなり、春がもうそこまできていることを実感します。

草木や花の芽吹きを見ていると、なんだか子ども達の成長と重なってみえるのです。だから自然の芽吹きを感じるこの季節が私は大好きです。

 

さて、今月上旬に卒園する年長児の卒園証書を書き上げました。

毎年の事ですが、子ども達の生まれた日や名前を書いていると、「この子の名前には、こんな意味が込められているのかな」と想像したり「そうかそうか、この子は早生まれだったのか」とか「年少の頃は泣いて登園していたけれど、随分たくましくなったなー」など、子ども達の顔を思い浮かべたりしながら名入れをし、ひとりひとりと向き合う時間が生まれます。筆の技術は全くありませんが、子ども達への想いだけは存分に込めて仕上げました。

そして先週、卒園式の予行練習を行いました。証書を受け取る時のひとりひとりの瞳がとにかくまっすぐで力強く、こんなにもたくましい瞳に成長し、園を巣立っていくのだと思うと、年長児を大変誇りに思いました。年長保護者の皆様には、証書授与の際、お子さんの背中をご覧いただければきっとその瞳の力強さが背中から伝わることと思います。身体も大きくなりました。そして心も同じように成長したことが、卒園式から伝わればと思っております。今年度は例年と違い2ヵ月遅れでのスタートとなりましたが、子ども達の成長は全く遅れを感じませんでした。ですから、自信をもって小学校に送り出すことができます。

先日、卒園する年長さんから手作りのメダルをもらいました。そのメダルには 『ちはるせんせい げんきな あいさつを してくれたでしょう』と書いてありました。

DSCN0943

しかし、実は、今年度当初はマスク越しとはいえ大きな声で挨拶をしてよいか、例年だと朝に子ども達を迎え入れる時にはハイタッチをしたりギューと抱きしめたりしていたけれど、人との接触を控えるという風潮もあり、行っていいだろうかと悩みました。答えが出ないまま新年度が始まったため、当初は元気な挨拶やタッチなどのスキンシップも少し控えめにしておりました。しかし、子ども達はとても純粋で、毎日元気に挨拶をし飛びついてきたりタッチを求め、てのひらを差し出してきたり。そんな状況が続くうちに、この純粋な子ども達と教育者としてどうかかわるべきか、おのずと答えが導きだされました。

毎日子ども達に負けないような元気な挨拶をし、マスクで遮られてはいるものの、とびっきりの笑顔で、時にハイタッチ、時にそっとてのひらを出し小さな手を軽く握り、そして飛びついてきそうな気配を感じた時には両手を広げ、全身で子ども達を受け止める…そんな迎え方をしてきました。3学期頃から年長児の挨拶が「おはようございます!」とあまりにも立派だったもので、私も学校の校長先生のように「はい。おはようございます!」と挨拶を交わす毎日でした。挨拶ひとつをとっても、いつの間にこんなに立派になったのだろう…と感慨深くしみじみ過ごしてきた3月でした。

そんな年長さんもついに今日で卒園です。

当園のホールの大きさに対して卒園児77名と保護者の皆様が会場に入るには、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から難しさを感じました。我が子の幼稚園最後の日は、保護者の参加を1名に限定せず皆様にしっかり見届けていただきたい、そして一緒に成長を喜び合いたいという想いが強くあったため、やむなく卒園式をクラスごとの開催と致しましたことをご理解いただけたら幸いです。

 

今しかできない経験をとことんさせたい。存分にあそびこむことが最高の学びになる。そう信じてこれまで幼児教育の実践にあたってまいりました。

裸足で大地を蹴り、土のにおいや草のにおいを感じながら自然と戯れる。頭で考えるだけでなく心で感じとりながら、感性を磨き、人との関わりを通して人間形成の土台が築いていけるような幼児期を過ごせるよう、願いを込めて全力で行ってきた保育も年長さんにとっては今日で最後です。

年長の保護者の皆様方には、これまでたくさんのご理解とご協力をいただきました。本当にありがとうございました。感謝申し上げます。

これからもたくさんの人との出会いを喜び、壁にぶつかってもへこたれないたくましさをさらに身に付け、周りの人たちに感謝できる子達であってほしいと願います。

子ども達の未来は明るい。

どんなことだって、なんだってできる。

これからも、子ども達が光り輝いていけるよう、ずっと応援しています。

 

 

園長    伊勢 千春


カテゴリー: 園だより |
«
»
▲ページの先頭へ