園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2021年02月19日

13日土曜日の夜11時過ぎ。

東日本大震災を思い出させるような大きな揺れに、震災の日のことが頭によみがえりました。揺れが収まり少し様子をみていると、夜中にもかかわらず、職員から「園の様子を見に行きますか?!」の連絡が数件入りました。他の職員も指示を待ってくれていたようで、その意識の高さと、さすがだな、ありがたいな、という気持ちでした。次の日は園が休みだったことや地震発生時刻が夜中だったこと、そして泉区は震度5強に到達していなかったことなどを踏まえ、今後の余震の可能性も考えると、職員の安全も守る必要があると判断し、皆は待機としました。

ひとまず、地震が落ち着いたのを見計らい、園に向かいました。夜中ではあったものの、やはり私と同様、職場へ向かっている車もあるのか、車の量が多いように感じました。

園に着いてみると、正面玄関に飾られている7段飾りのひな人形の右大臣が少し斜めに傾いていたり小さな桃の花の飾りや三人官女の持つひしゃくがころんと転がっていたりとその程度でした。一通り園舎内をまわってみても、園長室の私のデスクに積み重なっている書類が雪崩を起こしていたくらいで(苦笑)、揺れで物が移動したり落下したりというような形跡はほとんど見られず一安心でした。

 

10年前の3月11日。

この日、当園では職員室の棚や廊下の紙芝居棚などが倒れたということはありましたが、それほど大きな被害はありませんでした。降園中の時間だったため、スクールバスを待つ子ども達が残っていましたが、一人もケガすることなく済みました。その後、倒れる恐れのあるものは全て固定し、教訓を活かしました。そのようなこともあってか、今回、物が倒れるような被害がなかったのかもしれませんし、この土地の地盤が強いということもあるのかもしれません。

震災から10年が経ち、それ以来、この土地では大きな地震を経験していなかったので、地震に対する恐怖やいざという時のための防災意識が家庭の中ではどことなく薄れているかもしれません。現に、私の自宅では懐中電灯がすぐ取り出せるところになかったり水は常備しているものの、非常食の備蓄などは行っていなかったり…。震災直後は水や非常食、懐中電灯がすぐ使えるよう整えていたものの、数年後に賞味期限が切れてしまったり懐中電灯も物入れに片付けてしまったり。本来ならば、非常食も期限切れ前に消費したら買い足さなければならないし、今回は停電がなかったからよかったものの、やはり懐中電灯なども取り出しやすいところにまとめておかなければならないと改めて気づかされました。当園においては水や非常食の備蓄品を整え、期限もまだまだ十分大丈夫ですが、家庭の充実も見直してみなければと思った今回の地震でした。

2月上旬には火災を想定し、消防署とも連携を図りスモーク訓練も行いましたが、本日、今年度最後の6回目の訓練を行いました。本日は、教職員にも予告なしの地震を想定した抜き打ち訓練でした。12時頃非常ベルを鳴らし、地震の揺れを感じているという設定でした。クラスをまわってみると、この時間は、遊具の片づけ中だったり給食の準備中だったり、まだ活動中のクラスだったりと様々でした。テーブルが出ているクラスは担任が呼びかけテーブルの下に入り、脚を動かないようにしっかり持っているクラスもありました。また、静止し頭を守り放送に耳を傾けているクラスなど大変立派でした。

園庭に避難してくる時、年少組のクラスからは若干泣き声も聞こえてはいたものの、全体的にとても静かで避難もスムーズ、避難後の私の話もたいへん静かに聞け、時にはうなずきながら話を聞いている姿も見受けられるほどでした。これまで回数を重ねた訓練の成果が表れていたと思います。また、遅い時間だったので寝ていた子も多かったと思いますが、先日の地震を体験し現実のものとして避難訓練に臨めていた子ども達もいたのではないかと思います。

担任達も地震の放送が入った直後、すぐに窓を開け、各クラスの電気やストーブはしっかり消され、避難することができていました。また、出席簿を抱え子ども達の点呼をとる担任や名札に畳んで忍ばせ常に身に付けている名簿を見ながら点呼をとる担任もいて、日頃からの備えとこれまでの訓練の成果が出ていると感じた今回の訓練でした。

 

東日本大震災の時のように、在園時間中に災害が起こることもあります。日頃からの訓練がこのような事態が起こった時に大きな力を発揮してくれると信じ、来年度も引き続き避難訓練の計画を立てていきたいと思っております。

各ご家庭に配布済みの『非常時降園体制について』や『災害時の園児の引き渡し』などにも今一度目を通していただき、万が一への備えの確認をお願いします。

 

さて、今朝は年長担任に誘われ、年長児の楽しんでいるドッジボールに混ぜてもらいました☆ 男子チーム対女子チームでの試合でしたが、女子が劣勢だったための助っ人要因でしたが、大人げない力を発揮し、みごと女子チームの勝利!悔しがる男子チームでしたが、「また勝負したい!」「また一緒にドッジボールしよう」「園長先生、すげー強かった!今度は絶対男子チームに入って!」と、帰りまでたくさんの男子からの熱烈なラブコール♡を受けました。

※ダンスは苦手ですが、こう見えて実はドッジボールは大得意です☆ ←ホントです(笑)

 

年長児にとっては残り少ない園生活。楽しかった!という思い出を一つでも多く作って小学校へ送り出したいと思っています。

 

 

園長     伊勢 千春

 

 

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