園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2020年08月25日

今年は随分と長かった梅雨でしたが、梅雨が終わったかと思ったら今度は連日の猛暑。皆さんもこの夏はマスクの着用等もあり大変な思いをされているのではないかと思います。

 

夏休み中の幼稚園は、お仕事のご家庭のお子さんに限っての預かり保育を行っておりました。その傍ら、管理棟部分のこれまでの会議室を未就園児クラスの園児室への移行工事、そしてトイレ改修を行っておりました。1Fクラスのシンクの交換も含めた工事も合わせて行い、急ピッチに作業が進んでいます。この猛暑の中、工事に携わってくださっている方々には大変感謝をしているところです。

そして、技能主事の中村さんや村上さんは各クラスの必要な個所にペンキ塗りをしたり保育室床にワックスを塗ったり、2学期からの子ども達の登園に備えた各所整備を行っていました。

2学期に向けての教育環境をより良いものにしていけるようこのような整備を行った夏休みでした。

教員はというと、二学期に向けた行事や保育活動の準備をはじめ小グループでの会議を行っていました。

本来ならば2学期は大小問わず様々な行事が目白押しです。それに加え1学期から現在まで新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、予定していた行事も二学期にずれ込んでいます。これらの行事も合わせ、二学期の行事や日々の活動をどのように計画していくのかまたまた翻弄されています。

そのようなことを含め、この夏休みは様々なことを考える機会となりました。

今年度が始まった当初は、このようなコロナ禍の中であってもとにかく『子ども達だけでも』という強い思いがあり、年長お泊り保育の実施や日々の活動は極力これまで行ってきた当園が大事にしている教育を行う努力をしてきました。その面においては納得している部分です。

しかしこの夏休み中、幼児期の子育てにおいて『子どもだけの満足ではたして良いのだろうか』という自分自身への問いがうまれました。もちろん、主役である子ども達が日々充実し満足感を得られることが大前提ではありますが、本当に子どもだけでいいのか?という疑問が生まれました。

『子育て』というのは、本来子どもだけでなく親も主役であり子が感じる満足感や充実感は親も体感し、共感し、はじめて成り立つものではないかと。子ども達が頑張っている姿、楽しんでいる姿、友だちと関わっている姿…それらの姿を親も自分の目で見て体感してこそ、子どもの成長を肌で感じ、子育ての喜びが味わえるのだろうと思います。

子どもの世界には、時に上手くいかず涙したりもがいたりしている時があったり、小さなトラブルを経験している時があったりします。マイナスに感じる経験も子ども達が成長していくには避けては通れない道であり、逆になくてはならない体験です。そういう姿も目の当たりにすることで、幼少期に必要な子どもの姿や子ども同士のかかわりを知ることもできます。親はそんな姿にも向き合い、そっと見守り時に励ますことが必要なはずです。そして子が小さな問題を解決していく姿に親も寄り添うことでまた別な喜びに出合えるのだろうと思います。そんな小さな積み重ねを繰り返していきながら親も親として成長していけるのだろうと。

そう考えると、子どもの成長に必要なものは、子どもの満足や充実感だけでなく、親の満足感や充実感でもあるのではないかという答えが自分の中で導き出されました。

とするならば、幼稚園という教育現場の中で何ができるか、何が必要か。

コロナ禍の中でも知恵と工夫を凝らしながら、2学期は保護者の皆様にも満足感や充実感を得られるような環境を作っていける幼稚園であるよう邁進していきたいと決意新たにした夏休みでした。

そんな想いもあり、二学期はコロナの状況にもよりますが、保護者の皆様の園へのかかわりも少しずつ広げていく予定で計画を立てております。このような取り組みを行っていくには、引き続き、保護者の皆様にもご理解やご協力をいただかねばならない部分も多々出てきますので、どうぞよろしくお願いいたします。取り組みの詳細については随時園だより等でお知らせしてまいりますので、園発行のプリントにはよく目を通していただければと思います。

 

この状況がどうであろうとも、子ども達にとっての幼児期は今しかないし、幼児期の子どもの姿から喜びを見つけるのも今しかありません。子ども達の毎日には見逃したらもったいないような瞬間がたくさん散らばっています。ですから、日常の子ども達の姿を通して、小さなキラッと光る喜びを共に見つけていきましょう。

2学期もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

園長   伊勢 千春

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