園長先生のつぶやき

心に思うこと、その時感じたことをそのまま綴る、園長の徒然日記です。

2019年12月05日

12月に入り今年も残すところ一ヶ月を切りました。

再来週には合唱会、クリスマス集会、終業式と立て続けに行事や儀式がやってきます。

その中でも一番のメインは合唱会だと思います。この頃はホールから子ども達の歌声が園長室まで聞こえてきて、私の仕事もはかどりますし、来客があると 「元気でいいですねー」「子ども達の歌声は本当にいいもんですね~」と皆さんに言っていただき、気持ちもほっこり温まります。

 

例年お伝えしていますが、当園の合唱会は 『生活発表会』 と位置づけております。

普段の子ども達の日常の中に歌はあります。園生活の中にも歌が溢れていて、歌は子ども達にとって身近なものであり、自己表現のひとつと捉えています。歌に親しんだり、皆と一緒に声を出して楽しんだりしていく過程の中で、うたって楽しい、みんなで声を合わせるのって楽しい…!そんな想いを味わってほしいと思っています。リズムが楽しい歌もあれば、情景が目に浮かぶような歌詞の歌もあり、合唱会で披露する歌も毎年先生達がいろいろ吟味しています。

こうして日々歌に親しむ中で少しずつ歌詞の情景を思い浮かべながら歌ってみたり人に見られることを意識してどのような態度でステージに立てばいいのか気づいたりしていくような成長ができればと思っています。発表会のために、そして人に見てもらうために立派に歌う、上手に歌うということに比重は置いておらず、そのような姿は年齢に応じて自然に身についていくものだと解釈しています。

ですから、年少さんはクラスで楽しんでいるそのままの姿をお見せできればいいと思っています。合唱会とはいえ、年少は 『うたあそび』 というくくりです。入園から9カ月が経過し、おうちの人から離れて生活する幼稚園にも慣れて、最初は先生がいないと不安だったのがお友だちとの関わりを楽しめるようになったりうたあそびを通して表現することを楽しめるようになったりしているはずです。大きな会場での発表になりますが、人に見られることを意識したり緊張したり…という感覚はまだほとんどないのが年少さんだと思います。きっと教室で普段先生やお友だちと一緒にうたあそびを楽しむ、ありのままの姿がご覧いただけるのではないかと思います。

年中さんは年少児に比べれば、お客さんに見られるという意識もでてきますが、それでも元気いっぱい張り切って、歌えるようになった歌や普段から楽しんでいる歌を披露できると思います。できるようになってくることが増えたり自信がついてきたりしている分、人に見てほしい、聴いてほしいという前向きな気持ちも出てくる頃です。その反面、まだ恥ずかしさがでたり集中力の持続が難しかったりすることもあるかもしれません。しかし、イキイキと張り切って元気いっぱい歌う…という姿が前面に表れるのが年中さんの特徴になってくるのではないかと思います。音程が定まっていなかったり張り切りすぎて大きな声を出すのに必死だったりする姿もあるかもしれませんが、そこはご愛嬌♡と受け止めて下さい(笑)。

そして年長さん。

大きな舞台での緊張感はもう十分感じる年齢です。人に見られているという意識も十分ありますからドキドキしたり少し心が縮こまったりすることもあると思います。しかしそんな経験も必要な経験のひとつと捉えています。歌詞を思い浮かべながら歌うことも年長だからできることで、歌を通して想像力も膨らんでいけばいいなという願いを込めて、歌を取り入れています。そして時と場を考えて今はどのように行動したらいいのかを感じ取ってそれを実践すること、緊張しても最後まで頑張ってやりきるなど、これから小学校にあがると必要になる部分も意識しながら進めているところです。子ども達が自信を持って堂々と表現している姿をお見せできればと思います。

運動会と同様、合唱会は子ども達の学年の差を感じ、年少から年長までの成長の過程が良く見て取れる行事です。ですから三学年を通して観て頂かなければもったいない!という気持ちです。「去年の我が子はこんなだったな~」と懐かしく振り返ったり「来年の我が子は、二年後の我が子はこんなふうな姿になるのかな~」と新たな楽しみにつなげたりとお子さんの出番だけでなく、そんな視点で他学年の子ども達にも目を向けていただけると、また違った楽しみ方ができるだろうと思います。

そして、当日歌う曲の中には、童謡や初代園長富田博先生作詞の歌も盛り込まれています。

富田先生は童話や童謡に大変精通しておられ、私自身、新任時代から幼児教育における童話と童謡の重要性を学んできました。時代の変化と共に私達の身の周りに溢れる歌やものも様々な形に変化してきています。現代の子ども達が好みそうな新しい形も取り入れつつ、日本語の持つ美しさや歌詞に描かれている情景など、大事に歌い継いでいきたいものも幼児教育の現場では大切にしていきたいと考えます。子ども達の心が豊かになるよう願いを込め、そのような童謡も取り入れた合唱会にしたいと思っています。どなたでもご存知の童謡も三学年とも盛り込んでいますので、ぜひご一緒に口ずさんで頂けたら嬉しいです。

また、初代園長富田先生が作詞した 『おにぎり山』 を年中さんが、『春の足おと』 をコールめるへんの皆さんが歌って下さいます。そして年長3クラスが合同曲として日本五大昔話メドレー(桃太郎・かちかち山・さるかに合戦・舌切り雀・花咲爺)を歌います。どうぞお楽しみに☆

 

もしかすると、慣れない大きな会場や雰囲気に戸惑う姿もあるかもしれません。ピアノが苦手な先生達のことも考えると私も気が気ではありませんが、そんな先生達も現在自主練習に励み、家でも幼稚園でも猛特訓中(笑)!!

当日は、子ども達もそして先生達も一体となって、いらして下さる皆さんに心温まる歌声を届けられたらと思っております。

 

 

園長    伊勢 千春

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