2025年01月30日
新しい年が始まったと思っていたら、もう1月も終わりです。
昨年末に、若い頃共にめるへんで頑張っていた、現在大阪に在住している私の1つ上の先輩Y先生から宮城に帰省するという連絡を受けました。それならばせっかくだし何人かに声をかけて、久々にみんなで集まろうかという話になり、新年早々の1月2日に、苦楽を共にしてきた元めるへんの先生達で『めるへん会』を行いました。今回は5名で集まりましたが、正月早々にも関わらず、皆一つ返事で「行きます!!」と(笑)。コロナ前に集まっていたので数年ぶりの先生もいれば、20年ぶり?!という先生もいて、大賑わいの会でした。
30年近く前になるようなはるか昔に一緒に頑張っていた頃の話はつきず、三次会まで突入(笑)。一分間の会話の中に入る語彙量がこれほどまでに多い会話ってなかなかないよね…と、笑いがつきませんでした。会話の中心は、自分たちの頑張ってきた栄光の輝かしいきれいな思い出…には程遠く、ほぼ、当時の園長にこっぴどく叱られた(いや、指導された)話や失敗談でした。当時の園長からは言葉の使い方や文章を書く際のポイント、歌や絵本選びのポイントから私たちの服装、髪形、立ち振る舞いまで、本当にたくさんのことを教わりましたが、それらに絡む自分達のダメ話に花が咲いたのでした。
その当時は必死でがむしゃらに突っ走っていたので、こういうことを改めて語る暇もありませんでした。しかし、今になってみれば思い出話にもなり笑い話にもなっています。しかしその中でも、特に叱られた経験や失敗した経験が、いい意味で今でも自分の根底にあり、このことを現在も心にとめて二度と同じ過ちを繰り返さないようにしているし、その教えが今に活きているという先生達がほとんどでした。たくさんの厳しい指導を受けましたが、それが自分の考えの柱にもなっているし実際の子育てにも活きていたよねと。私自身もその教えが今の自分の考えの基本にもなり自身の子育ての軸にもなりました。逆にあの時そういう教えを受けていなかったら、今と同じ考え方や子育てができていたかと思うと、きっとそうではなかったと思います。
今の時代はひとこと「指導」といっても受け取り方や伝え方の問題があり、難しい時代ですが、私達旧世代は過去の時代に揉まれ指導され今があると思っている仲間ばかりでした。
5人集まった中で私も含め3人が今でも保育園や幼稚園などで仕事をしていますが、一人は幼児向けの学習教室、一人は大学の研究室の秘書など様々でした。置かれている状況はそれぞれ違いますが、今は本当にいろいろと難しい時代だねーという、どこか少し物寂しい印象を皆が持っているように感じました。
今回集まった中で私だけが今も変わらずずっと同じところにいるので、外の世界が分かりませんが、他の4人は皆、いろいろな職場や職種を経験してきています。そんな経歴をたどってきた皆が、これまでいろいろ渡り歩いてきたけれど、めるへん時代が一番楽しかったし一番勉強になったと話していました。指導された経験もダントツだったし大変だったけれど、それも含めて一番楽しかったと。あの頃は必死だったけどいい時間だったよねーと口々に話していました。そんな中、私はいまだこうして同じ場所にいて、幸せ者だなと感じた瞬間でもありました。たくさんの失敗や上手くいかなかったこと、厳しく注意されたことは私の糧にもなっています。ほかの仲間たちが言うように、成功したこと、上手くいったこと、褒められたことはほぼ覚えていません。しかしマイナスだったことは、胸に刻まれ、忘れられない出来事になり、二度と同じ過ちをしないように努めようという戒めにもなっています。そして、自分自身の失敗からの学びを私は余すことなく後輩達に伝えています。失敗したりしくじったり指導されたりした内容は、自分だけのものにしておくのはもったいない。これからその部分を少しでも意識していければ、私と同じような過ちを周りも減らしていくことができるだろうし、学びにもなっていくだろうと思っているからです。
ですから職場でも、家族間でも私はなるべくマイナスなことも口に出しやすいような環境が作れるよう努めています。何かしらのしくじりは誰にでも起こりえることだし、そういうことがなくスムーズにばかりいくわけがないはずです。少しでもマイナスになることが避けられればもちろんそれに越したことはありませんが、もし仮に起こってしまったのならば、それを共有し一緒に学び、考えていける機会になっていけたらと思っています。仲間のマイナスは、自分の身にも置き換えて周りの皆で補っていけたらとそんな想いでおります。
自分の失敗談や叱られ話を、反省と笑いで行ったり来たりしながら懐かしみ、「私もあったあった!」と共感し、現在頑張っている場所や状況は違えども今に活かせる、そんな仲間は最高だなと改めて思いました。
「めるへんたいむはまだやってるの?」「どろんこあそびは?」「劇あそびは?」「風の子の木登りや草転がりは?」「クラスだよりって…」「連絡帳はさすがにないよね…」などなど、めるへんの『今』について皆知りたかったよう。しかし、ほぼ全てまだやっていることばかり…(笑)。「そっか~懐かしいな~今もまだやっているんだ~」「うんうん、今の時代だって大事なことばかりだよね」「そうそう!」と皆が全肯定。ただし一つ付け加えるならば、今の時代に即した先生達の働き方やペーパーレスを目指し、「ICT化には取り組んでいるけどね」と付け足しました(笑)。
社会の風潮や働き方、物に対する考え方は変化していますが、それでも根本の大事な部分は変わっていない、そう感じることができた仲間たちとの再会に感謝しています。
園長 伊勢 千春