2025年12月01日
前回、脳についての記事を書きましたが、小会議の際、その記事から脳の働きが話題に上がりました。その時、「もう私はいまさら遅いけど…」と話していた先生がいましたが、ふとその言葉を聞いて、思い出したことがありました。
それは、以前読んだ記事に【脳は何歳になっても成長する】という内容のものがあり、衝撃を受けたことがありました。そのことを思い出し、いろいろあきらめるにはまだ早いかも!という話を小会議の時にしたのです。どんな内容だったか、うろ覚えの部分があったため、スクラップしていた記事をあさってみたら、ありましたありました。
その記事によれば、脳は90歳でも神経細胞が新生されることが表記されていました。私はてっきり、年齢がある一定のところまで来たらあとは体の老化とともに脳だって下り坂に向かう一方だろうとしか思っていませんでした。ところが、2019年のスペインの研究では、上記に挙げたように90歳でも脳の神経細胞が新生されたり、ハーバード大の研究では40歳以降にピークを迎える能力があることが分かってきたりと、驚くことがたくさんありました。「脳」と一言で言っても脳が持つ様々な能力はどうやらそのピークが年齢によって異なるようです。ハーバード大の研究によれば、情報処理、名前や顔を覚えるといった短期記憶は若い頃がピークだそうですが、相手の気持ちを読む力は48歳、語彙力のピークはなんと67歳!その中でも言語力はもっとも遺伝に依存せず、後天的な環境で伸びる能力であるとありました。
ちなみに、諸説あるだろうと思いますが、私の見た記事によれば、脳の機能のピーク年齢は
18歳・・・情報処理能力
22歳・・・人の名前を覚える力
32歳・・・顔を覚える力
43歳・・・集中力
48歳・・・相手の気持ちを読む力
67歳・・・語彙力
と書かれてありました。しかしその年齢以上になっても脳はまだまだ成長し続けるそうです。
これを見て私はもうびっくり。自分はもう体も脳もどんどん衰えていく一方だと勝手に思い込み勝手に決めつけているところがあっただけに、信じられない気持ちと「おおー!私もまだまだいけるのね✨」と心躍る気持ちとが入り混じりました。
以前、旦那さんが「人の気持ちを全然汲み取ってくれない」と嘆いていたX先生。しかし話をよく聞くと、結婚した当初と比べると、子どもが生まれてからここ最近はだいぶこちらの想いを組んでいるかのような動きや行動をとってくれている…とのことでした。その当時のX先生の旦那さんの年齢はまさに48歳!実はこんな記事を読んだことがあるという話をし、「これまではまだ相手の気持ちを読む力のピークに達していなかっただけじゃない(笑)?なんなら、今が絶頂期✨だからさ、まだ希望は捨てないで✨」と激励したことがあります(笑)。その話を聞いたX先生は、「ほんとですね。もう半ばあきらめていたけれど、以前に比べたら、本当に信じられないくらい相手の想いを汲み取る力がついていると感じます☆」とすぐに前向きに(笑)。しかし、よく考えてみると、あれ?あとは静かに下降していくだけなのだろうか…(笑)。いやいや、絶頂期は一瞬では終わらないはず。そうあってくれ…という願いと希望を持ったことを思い出しました。
この記事を再度見返しながら思ったことは、やはり子ども達のこと。
子ども達は、長ーーーーいこれからの人生、まだスタートしたばかり。人生の歩みが100歩だとしたら、子ども達はまだ歩き出して3歩~6歩程度!歩数に置き換えてみるとなんて少ないんだろうと思ってしまいました。
そう考えたら、できて当たり前…ではないし、まだまだ人生の勉強が始まったばかりだから、逆にできなくて当たり前なんだろうなと。集中力も、相手の気持ちを読む力も、語彙力だってピークを迎えるのは相当先の話。大人である私たちだってまだピークを迎えていない能力がある中で、子ども達に多くを求めても難しいはずです。
しかし、今、子ども達は、集団でしか学べないこと、心や体で体得すること、嬉しい悲しいなどの感情の豊かさなど、様々なことを心や体、そして脳でも学んでいます。様々な脳の働きがピークを迎えるのはまだまだ先のことになりますが、伸びしろしかない子ども達のその土台となる部分の積み上げはもうすでに始まっているのです。
私たち大人だって、脳も心の成熟度もまだまだ深みを増しながら進化中。だからこそ失敗もするし足りないところだって多々あるし完璧なんかじゃないんですね。だから許容したり補ったりしながら過ごしていけるといいのだろうなと改めて思いました。
私たちの脳は年をとってもいくつになってもまだまだ進化中。
まだまだ頑張れ、私たち。
まだまだやれる、大人たち。
園長 伊勢 千春