2025年01月24日
昨年、NPO法人『そらべあ基金』が公募をかけたそらべあ発電所の太陽光パネル。
『再生可能エネルギーの普及啓発と、子ども達の環境教育を行うことで、地球温暖化防止に貢献する』 という目的に共感し、応募を決めました。
なぜこのプロジェクトに応募しようと思ったか、自然を守る取り組みやエコ活動への取り組みなど、実際これまで幼稚園ではどんな具体的取り組みをしてきたか、そして、もし太陽光パネルが寄贈されたならば、太陽光発電を活用して今後どのような環境教育やエコ活動を行っていきたいか…そんな書類審査の元、今回当園に太陽光パネルが寄贈されました。
これまでも当園では『自然との共存』を意識し、自分達の身近なことに興味関心を持ったり、物を大事にしていったりしながら、幼稚園児でもできること、考えられることがあるという考えから、教育活動の中に『エコ活動』や『自然を守る取り組み』なども行ってきました。
例えば、食べた柑橘類の種を集め再利用し、ポットで育て、アゲハチョウが卵を産みに来る環境を作りながら、小さな生き物の命の循環を間近で感じられるような環境作りを長年にわたり行ってきました。そこから子ども達の興味関心の芽が広がり、様々な果物や野菜の種を植えて育てる活動に発展。上手く育ったものでは梅や柿、どんぐりの木など、たくさん実をつけるまでに成長したものもたくさんあります。隣接する森から拾ってきたどんぐりは、園で約30㎝位の苗まで育てた後、地域ボランティア長命館サポーターズの皆さんと共に、森へ返す取り組みをし、今ではそのどんぐりの木が10mを超える立派な気に成長し、また新たな実をつけています。
そして、なんといっても園に隣接する風の子公園の自然の恵みを活かした食育活動。風の子公園は食材の宝庫!フキ、ヨモギ、筍、タラの芽、フキノトウ、梅等々そのままにしておくにはもったいない季節の自然食材がたくさん自生しており、子ども達や先生達が散策に出かけては自然の恵みに出合い、それらを活かした食育活動を日常に取り入れています。
その他、園の裏庭にあるブドウ棚のブドウや給食のブドウ、園で栽培したビルベリー等を食べた後に皮染めとして再利用したり、食べたミカンの皮もミカンの足湯で再利用したり。食べて捨てられてしまうものでも再利用しながらまた新しい別のものに生まれ変わることなども教育の中に取り入れてきました。
今という時代は、本当に便利な世の中になりました。ものに恵まれ、何不自由なく快適に生活できる豊かな日々が文明の進化と共に送れるようになりました。いつでもスイッチ一つで電気がつき、水道をひねれば(いや、今の時代ひねらず手をかざすだけでと言った方が良いのかも)水が出て、携帯電話やエアコン、ストーブ、車だって私達が暮らしていく生活の中にあるのが当たり前になりました。それらのことに感謝しつつ、私たちのこのような快適で豊かな生活が、地球に何らかのマイナスな影響を及ぼす要因になっている可能性があることも頭の片隅に置いておきたいものです。
以前、初代園長から、子ども達にはあえて不自由な体験をさせることが大事だと教わりました。電気を消して真っ暗闇の体験をさせること、車を使わず長い距離を歩かせること、テレビをつけない生活をしてみることなど、子ども達に快適で便利な環境が当たり前ではないことをしらせつつ、物を大切に扱ったり今自分達にできることを考え小さなことから実践していったりできるといいなーと思っています。
今回、太陽光パネルを寄贈いただき、改めて物を大事にする取り組み、エコ活動、CO2をなるべく出さない生活を心がけることなど大人の私達も生活の見直しを今一度行おうと思うきっかけとなりました。
子ども達に地球温暖化を防止するために自分達にできることを聞いてみると、早寝早起きをして電気を無駄にしない、誰もいない部屋の電気やテレビは消す、寒かったらストーブばっかりつけないで外でいっぱい遊んで体をあたたかくする、水を出しっぱなしにしない、冷蔵庫をずっと開けっ放しにしておくとピーピー音が鳴るから、冷蔵庫も物をとったら早く閉める等々、たくさん声があがりました。
これからの未来を担う子ども達が大人になる頃、地球環境はどうなっているのでしょう。こんなかわいい子ども達の未来が、ひとりひとりの小さな心がけで少しでもいい方向に向いてくれたらと願い、私も自分に今できることに取り組んでいきたいと思います。
園長 伊勢 千春